46歳の元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗2分=は、自らのSNSで「7月19日(日本時間20日)、私はラスベガスのMGMグランドで、WBC世界ウェルター級チャンピオンのマリオ・バルデスと対戦するため、リングに戻ります。歴史を刻もう」と発信。リングへ復帰する事を明らかにした。試合は間もなく正式発表される。

パッキャオは昨年9月にバリオスとの対戦計画が進められ、WBCのマウリシオ・スライマン会長も世界タイトルマッチとして認定する事を決定したが、実現には至らなかった。

パッキャオは2021年8月に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、WBA世界ウェルター級スーパー王者ヨデル・ウガス(キューバ)の持つ王座に挑戦し、判定で敗れた試合を最後に現役引退を表明。フィリピン大統領選挙への出馬する考えを明らかにした。

2010年にフィリピン下院議員に初当選したパッキャオは、2期連続下院議員を務めた後、2016年からは7位で当選した上院議員となっていた。しかし、2022年5月に行われた大統領選挙では、フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏が約3,162万票で当選。パッキャオは3位で敗れたが、獲得した票は約366万票で、得票率は6.81%にとどまった。

昨年はパリ・オリンピックへの出場を表明し、特別枠での五輪出場をフィリピン・ボクシング委員会を通じ申請していたが、国際オリンピック委員会は45歳の高齢を理由に却下している。

米国での税金滞納、パラダイム・スポーツ・マネージメントから訴えられ敗訴した、契約違反による総額800万ドル(約12億5300万円)以上の支払い義務などを抱えるパッキャオは、稼がなくてはならい。

今年に入ってもバリオス挑戦のうわさが絶えなかったパッキャオは、まずは再び上院議員返り咲く事を優先とし、5月12日に行われた選挙の投票結果後に、リング復帰を検討するとしていた。

しかし、選挙はあえなく落選。上院議員返り咲きはならなかった。

Jimuel-&-Manny Pacquiao

パッキャオは、それが既定路線であったかのようにリングへの復帰を発表。今週に入り米・カリフォルニア州ロサンゼルスで、長年コンビを組んできたフレディ・ローチのワイルド・カード・ジムでトレーニングを開始している。そこには、パッキャオ2世のジムエル・パッキャオも参加。

そして46歳の父マニーが、歴史に名を刻むためバリオスへ挑む興行のアンダーカードで、24歳のジムエルのプロデビュー戦も計画されている。2022年からアマチュアでキャリアを開始したジムエルのアマ戦歴は、これまで6勝4敗。歴史的な親子そろっての同日興行出場で、親子そろって白星を挙げる事が出来るか。こちらも大きな注目を集めそう。