5月24日、大阪・インテックス大阪で開催された、「3150 × LUSHBOMU vol.6」のセミファイナル。IBF世界ミニマム級タイトルマッチ。王者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)=17勝(13KO)4敗1分=に、前王者で同級4位にランクされる重岡銀次朗(ワタナベ)=11勝(9KO)勝1敗1NC=選手が挑んだ一戦は、タドゥランが判定勝ちで初防衛に成功。

前日計量はタドゥラン47.4キロ、重岡選手47.6キロでクリア。IBFルールによる午前8時の当日計量は、重岡選手が51.8キロでリミットの52.16キロをパスしたが、タドゥランは240gオーバー。30分後の再計量は140gオーバー。さらに40分を賭けてリミットをクリア。試合への影響が心配された。

両者は約10ヶ月ぶりの再戦となり、重岡選手は王座奪還を賭けたリベンジ戦。サウスポー同士の対戦は初回、タドゥランがジャブから左ストレートを上下に散らし前進。重岡選手は足を使いジャブ。機を見て左ストレート、右フック。

2回、圧力を強めたタドゥランは左ボディストレートから回転の速い連打。足を使う重岡選手は左ボディブローを返し、右フック。3回、タドゥランは重岡選手の足に付いて行けず、重岡選手は動いてジャブ、時に左ボディストレートで王者の意表を付く。

4回、重岡選手のジャブにタドゥランは左ストレートを被せ、距離が詰まると連打。重岡選手も右フック、左ボディを決めるがタドゥランは強引に出る。5回、前に出るタドゥランに重岡選手は左ストレートをカウンターでヒット。打っては動く重岡選手にタドゥランは終了間際、ロープ際で左アッパーを乱打。

6回、強引に出て来るタドゥランに重岡選手は左ストレートをカウンター。しかし、タドゥランは止まらず、左ストレートで前進。重岡選手の右目下が腫れて来た。7回、重岡選手はボディ攻撃からスタート。動きながら左ストレート、右フックを打ち込むがタドゥランは止まらず、距離を詰めると左ストレート、アッパーを叩きつけた。

Pedro Taduran

8回、重岡選手の左ストレート、ボディ打ちがヒットするが、タドゥランは動じず前進し、強い左ストレートを叩き付け、接近するとアッパー連打。9回、タドゥランはプレスを強め、左ストレート。重岡選手の左ストレート、右フックが決まるが、とにかくタドゥランは止まらない。接近戦での左アッパー連打は見栄えが良い。

10回、重岡選手の動きは衰えず、ボディブローから、左ストレートをヒット。しかし、タドゥランの前進も止まらず、威力ある左ストレートを肩越しに打ち込んだ。11回、タドゥランは全くスタミナ切れの兆候を見せずに、重岡選手を追い強い左ストレートをヒット。重岡選手のパンチもヒットしているが、一発の印象ではタドゥラン。

最終ラウンド、重岡選手は軽快に動いてヒット&ラン。タドゥランは最後まで前進し、強い左ストレートを打ち込み続け、攻勢点では断然上回る印象を残し、試合終了ゴングを聞いた。

公式スコアはギル・コ(フィリピン)115-113、中村勝彦(日本)118-110でタドゥランと、デイブ・ブラスロー(米)115‐113重岡選手のスプリット。判定を聞いた重岡選手は力を落としたのか、コーナーでぐったりとし、意識を失ったような状態で担架に乗せられ退場。容態が心配されます。