7月2日(日本時間3日)、トルコ・イスタンブールのリクソス・テルサネ・イスタンブールで開催された、WBA暫定世界スーパーフェザー級タイトルマッチ。王者アルベルト・バティルガジエフ(ロシア)=12戦全勝(8KO)=に、同級5位ジェームス・”ジャザ”・ディケンズ(英)=35勝(14KO)5敗=が挑んだ一戦は、ディケンズが4回2分26秒KO勝ち。
東京五輪フェザー級金メダリストのバティルガジエフは、2度目の防衛戦。プロ転向以来、ロシア国外で戦うのは初めてだったが、予想は圧倒的有利。34歳の挑戦者ディケンズには厳しい試合になると見られていた。
サウスポー同士の対戦は初回からバティルガジエフの不調が目立ち、ディケンズが優勢。迎えた第4ラウンド、ディケンズのワン・ツーを喰ったバティルガジエフが膝を揺らせると、ディケンズはすかさず追撃。

左ストレート、右アッパーを叩き込み、さらに左ストレートを直撃するとバティルガジエフはダウン。グスタボ・パディージャ(パナマ)主審の8カウントを聞き再開に応じたバティルガジエフだが、ダメージは明白。
ガードを高く上げるのが精いっぱいで、ディケンズの攻勢にさらされた暫定王者は、左ストレートで大きく後退。続く左フックで2度目のダウン。
ここも立ちあがりファイティングポーズを取ったが、足はガクガク。危険と見て取ったバティルガジエフ陣営から白いタオルがリングに投げ込まれ試合はストップ。27歳、ロシア期待のバティルガジエフは脆さをさらけ出し、世界の頂点を見ぬまま暫定王座を失った。

殊勲の星を上げたディケンズは、2016年7月に英・カーディフで、ギレルモ・リゴンドウ(キューバ)が保持していたWBA世界スーパーバンタム級王座に挑むも、第2ラウンド、リゴンドウの左フックで顎を骨折。あっけなく棄権に追い込まれていた。
その後、フェザー級に転向するも世界の頂点には届かず、三つの黒星(2KO負け)を重ねたが、昨年2月15日(日本時間16日)に英・マンチェスターのコープ・ライブ・アリーナで行われた、WBAインターナショナル・スーパーフェザー級王座決定戦で、IBF世界同級6位、WBA7位にランクされていたゼラファ・バレット(英)=32勝(18KO)3敗=を、10回判定で破り再浮上していた。