5月28日に横浜BUNTAIで、力石政法(大橋)=16勝(11KO)2敗=選手を12回判定で破り、IBF世界スーパーフェザー級王座を獲得したエドゥアルド・”シュガー”・ヌニェス(メキシコ)=29勝(28KO)1敗=の初防衛戦は、9月の第一週にメキシコで開催されるマッチルーム・ボクシング興行で計画されている。
世界的にも注目を集めた力石選手との王座決定戦では、強い圧力でパワー十分な連打を上下、サイドに打ち分け力石選手に迫り、最後まで衰えないスタミナとタフネスぶりを見せつけ、キャリア初の判定勝利とはなったが、力石選手に付け入る隙を与えず、日本のファン、関係者に「強い」という印象を残し、ヌニェスはベルトを持ち去った。

今のところ、挑戦者に付いては具体的な候補はあがっていないが、ランキング最上位の3位(1,2位は空位)スルタン・ザウルベック(カザフスタン)=20戦全勝(13KO)=は、同級11位リアム・ウィイルソン(オーストラリア)=16勝(8KO)3敗=との挑戦者決定戦を指令されており、ヌニェスのV1戦は選択試合となる。
アマ時代にリオ五輪ライト級金メダリストのロブソン・コンセイサン(ブラジル)=前WBC世界スーパーフェザー級王者=に勝利している、29歳のサウスポー、ザウルベックは、4月5日にカザフスタン・アスタナで、世界戦経験者のアジンガ・フジレ(南アフリカ)=18勝(12KO)3敗=と対戦。

サウスポーのフジレは、2021年11月27日(日本時間28日)に米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・フルシアターで、尾川堅一(帝拳)=30勝(21KO)2敗1分1NC=選手と、空位のIBF世界同級王座を争い12回判定負けを喫した後、3連続KO勝利中。
敵地でザウルベックを破り、世界上位復活を狙ったが、地元のザウルベックが技巧派のフジレをパワーで押し込み10回判定勝ち(97-93、97-93、96-94)。空位のIBFインターコンチネンタル同級王座を獲得している。
一方のウィルソンは、2023年2月3日(日本時間4日)に米・アリゾナ州グレンデールのデザート ダイヤモンド アリーナで開催された、WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦で、エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)=39勝(32KO)2敗1分1NC=と対戦。

9回1分57秒TKO負けとなったが、4回には左フックをカウンターで決め痛烈なダウンを奪っている。ナバレッテは立ち上がり再開に応じたが、吐き出したマウスピースを入れ直し、試合再開まで要した時間が27秒。試合後、ウィルソンのプロモーター、マット・ローズが、無効試合を求めてWBOに提訴する事態となっていた。
2024年3月29日(日本時間30日)、同じ会場でWBO世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦出場のチャンスを得たウィルソンは、オスカル・バルデス(メキシコ)=32勝(24KO)3敗=とグローブを交えるが、バルデスのパワーに屈し、7回2分48秒TKO負け。以後、3連勝(1KO)で再び、世界王座へ接近の機会が訪れた。