4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手のスパーリング・パートナーとして来日していた、前IBF世界スーパーバンタム級&WBAスーパー王者で、WBC世界同級2位、IBF3位、WBO4位、WBA8位にランクされるマーロン・タパレス(フィリピン)=39勝(20KO)4敗=が、10月29日にフィリピン・マニラ首都圏ケソン市のスマート・アラネタ・コロシアムで開催される、スリラー・イン・マニラ50周年記念興行に出場(対戦相手未定)する事が決定。

同日はタパレスの同僚、WBC世界ミニマム級王者メルビン・ジェルサレム(フィリピン)=24勝(12KO)3敗=が、同級2位シヤクホルワ・クセ(南アフリカ)=9勝(4KO)2敗1分=を挑戦者に迎え、3度目の防衛戦に臨む他、WBC世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦。同級1位マーク・マグサヨ(フィリピン)=28勝(18KO)2敗=と、同級2位マイケル・マグネシ(イタリア)=25勝(13KO)2敗=の一戦も組み込まれている。また、モハメド・アリの孫ニコ・アリ・ウォルシュ(米)=11勝(5KO)2敗1NC=の出場も予定されている。

50 aniversario de Thrilla In Manila

スリラー・イン・マニラ。1975年10月1日にフィリピン・マニラで開催された世界ヘビー級タイトルマッチ。モハメド・アリvsジョー・フレージャー3は、会場のアラネタ・コロシアムを”フィリピン・コロシアム”と国際的に名称を変更し、試合当日は国民が試合を観る為に特別休日とされる中、約2万8千人の大観衆を集めて行われた。

前年10月、ザイールのキンシャサで歴代ヘビー級チャンピオンの誰よりも高いKO率を誇るジョージ・フォアマン(米)の持つ世界ヘビー級王座に挑んだアリは、KO負け必至の予想を裏切り8回KO勝ちで、約7年半ぶりに世界王座へカムバック。4度目の防衛戦で迎えたのが、過去1勝1敗の宿敵フレージャーだった。

定員1万8千人の試合会場には2万8千人が収容され、立錐の余地もない。立ち上がりうまくカウンターを決めたアリは、3回、フォアマン戦で見せたロープ・ア・ドープ作戦に出る。しかし、これはフレージャーの思うつぼで、アリの左フック、右ストレートも当たるが、スモーキン・ジョーの強烈な左フックを上下に被弾し苦境に立たされていった。

Thrilla in Manila

灼熱のリング上は激しい消耗戦となったが、アリは11回から息を吹き返し、ワン・ツー連打でフレージャーを追い込む。13回にはアリの右ストレートを受けたフレージャーのマウスピースが、リングサイドまで吹き飛んだ。14回、アリも疲れたが残る力を振り絞り打って出る。フレージャーはアリのパンチを貰いながら、なおも前進を止めない。しかし、立っているのが不思議なくらいのダメージを負っていた。

そして14回が終了すると、フレージャーのトレーナー、エディ・ファッチは、「もうやめよう。十分に戦った。立派だった」と棄権を愛弟子に言い聞かせる。顔面を大きく腫れあがらせたフレージャーは首を横に振ったが、やがてファッチの胸に顔をうずめた。勝者アリも歩くことも話す事も出来ないほどに疲労困憊。まさに死闘だった。

全世界の推定視聴者数は10億人。今でも記憶に蘇る凄い試合でした。記念興行にアリの孫が出場するとは、50年の時の流れを感じさせます。