元世界4階級制覇王者エイドリアン・ブローナー(米)=35勝(24KO)5敗1分1NC=が、11月8日(日本時間9日)に米・オクラホマ州ショーニーのファイアレイク・アリーナで開催される、TNG “The Next Generation” プロモーション興行のメインイベントでリング復帰が決定。ウェルター級10回戦でハスケル・ローズ(米)=32勝(16KO)8敗1分=とグローブを交える。
36歳のブローナーは、昨年6月7日(日本時間8日)に米・フロリダ州ハリウッドで行われたドン・キング・プロダクション興行で、34歳(当時)のブレア・コブス(米)=17勝(10KO)1敗1分=と対戦。第2ラウンドにダウンを奪われ、全く過日の面影ないボクシングでズルズルとポイントを失い判定負け。敗れた後も鼻息は荒かったが、「もう限界。引退すべき」の声が多数あがっていた。
2011年11月にWBO世界スーパーフェザー級王座を獲得したブローナーは、翌年、WBC世界ライト級王座を獲得すると、2013年6月にはポール・マリナッジ(米)の持つWBA世界ウェルター級王座に挑戦し、12回判定勝ちで2階級のベルトを手に入れた。
ここまでは良かったが、ウェルター級にとどまる事を決め、初防衛戦でマルコス・マイダナ(アルゼンチン)に2度のダウンを奪われ判定負けで世界王座から陥落し、初黒星を喫した後から、以前からあった体重超過に拍車がかかり、私生活での暴力沙汰、奇行が目立つようになる。
2019年にはマニー・パッキャオ(フィリピン)に判定負け。一度は引退を宣言したがリング復帰。しかし、メンタル面の病気を理由に試合を欠場したりで、2022年にはプレミア・ボクシング・チャンピオンズから離脱。その後、新興プロモーションのBLK Prime ボクシングと3試合の契約を結ぶが、一試合も行なわないままこれも解消。そして、ドン・キングと契約し世界王座復帰を目指したが、これも頓挫。
本当に試合に出場できるコンディションを整えられるのかとの不安もぬぐえないが、さしたる戦歴も持たない37歳のローズに足元をすくわれるようなら、今度こそグローブを壁に吊るすべきだろう。