IBFは世界スーパーバンタム級8位西田凌佑(六島)=10勝(2KO)1敗=選手と、同級5位ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)=37勝(24KO)4敗2分=による、世界同級挑戦者決定戦を指令。ジョージ・マルティネスIBF選手権委員長は、今週、両選手の代理人に書簡を送った事を明かし、交渉期限は今月23日(日本時間24日)までとしている。勝者は同級王者井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手への挑戦権を獲得する。

元IBF世界スーパーフライ級王者のアンカハスは、2022年2月に米・ラスベガスでフェルナンド・”プーマ”・マルティネス(アルゼンチン)=18戦全勝(9KO)=に12回判定で敗れ、9度防衛した世界王座から陥落。10月の再戦でも勝てず、バンタム級に転向。

昨年2月に東京・両国国技館で井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=選手が保持していたWBA世界バンタム級王座へ挑戦するチャンスを掴んだが、第9ラウンド、井上選手の右ボディアッパーを喰らいテンカウントKO負けで2階級制覇に失敗。

キャリア初のKO負けとなったアンカハスは一度は、引退を考えたが再起を決意。スーパーバンタム級に階級を上げ、現在、3連勝中。アンカハスをサポートするのは、46歳の元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗3分=率いるMPプロモーションで、COOのショーン・ギボンズは、アクティブに試合を組みチャンスを作る事を約束していた。

Jerwin Ancajas & Manny Pacquiao

46歳のパッキャオが、30歳のWBC世界ウェルター級王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗2分=を追い詰めながら、惜しくも引き分けに終わった試合を観戦しアンカハスは、「パッキャオは私を奮い立たせ、もっと頑張ろうという気にさせてくれた。彼が46歳でできるのなら、33歳の私が全盛期の姿を取り戻せない理由はない」と断言。大いにやる気を見せている。

前IBF世界バンタム級王者の西田選手は、6月8日に東京・有明コロシアムで行われた、WBC王者中谷潤人(M・T)=31戦全勝(24KO)=選手との2団体王座統一戦で6回終了TKO負け。右肩を痛めるアクシデントもあったが、プロ初黒星を喫した。

しかし、7月に現役続行と、減量苦のために1階級上のスーパーバンタム級へ転級する意向を表明。再起戦で世界挑戦権を獲得するチャンスに恵まれた。サウスポー同士の対戦。西田選手にも十分勝機があると見るが、MPプロモーション主導で米国開催となるのかは、気になるところです。