ガーナ国家スポーツ局(NSA)は、ライトヘビー級ボクサー、アーネスト・”バーフバリ”・アクシー(ガーナ)=6勝(5KO)2敗=のリング禍を受け、ガーナではボクシングが無期限で禁止される事になったと発表した。32歳のアクシーは9月12日(13日)にガーナ・アクラのブコム・ボクシング・アリーナで行われた興行のメインイベント10回戦で、ジェイコブ・ディクソン(ガーナ)=15勝(14KO)2敗=と対戦。
共に再起戦だったが、試合はディクソンが序盤から主導権を握りペースを掌握。一方的展開となりディクソンが8回TKOで勝利。試合後、敗れたアクシーはアクラのLEKMA病院に運ばれたが、一時は回復。しかし、22日(日本時間23日)になり極度の不快感を訴え、わずか24時間後の23日(日本時間24日)、アクシーは帰らぬ人となった。
NSAのヨー・アンポフォ・アンクラー事務局長は、全てのボクシング活動を停止するという決定に付いて、悲劇を取り巻く状況の徹底的な調査を可能にするために必要なものであると説明。彼の多忙なスケジュールは “起こるべきでなかったと指摘している。

2019年11月に6回戦でプロデビューしたアクシーは、順調に白星を重ねたが、5月10日(日本時間11日)にアクラで行われた国内王座決定12回戦で、ジョナサン・テテ(ガーナ)=10戦全勝(10KO)=に7回TKO負けで初黒星。ディクソンとの試合はTKO負け後、4ヶ月のスパンで行われたが、ディクソンは6月13日(日本時間14日)にアクラで、世界戦経験のあるヘビー級アンドリュー・タビティ(米)=22勝(18KO)2敗=に、4回TKOで敗れたばかりだった。
ガーナボクシング界では、3月29日(日本時間30日)にアクラで行われた興行で、ガブリエル・オルワセグン・オランレワジュ(ナイジェリア)=13勝(12KO)9敗2分=が、第3ラウンドTKOで敗れた後、亡くなっているが、これは試合中に突然オランレワジュが倒れ込んだもので、検死解剖の結果、心不全が判明。出場を許可したメディカル・クリアランス・プロセスに重大な疑問が投げかけられていた。
2つの悲痛な事故を受け、NSAは10月31日までに予定されていた4つのイベントを直ちに停止とし、ガーナで開催が計画されていた元統一ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(英)の試合開催に関する話し合いを凍結。今のところ、全ての計画は無期限に保留され、ボクシング関係者は改善に取り組み、ファイターの安全確保に努める今後の対策に躍起となっている。