中谷潤人(M・T)=31戦全勝(24KO)=選手の王座返上により空位となっている、IBF世界バンタム級王座の決定戦は、同級3位(1、2位は空位)ホセ・サラス・レイエス(メキシコ)=16戦全勝(10KO)=と、同級5位ランディ・ギーケ(南アフリカ)=16勝(8KO)1敗1分=により行われる事が明かになった。試合は12月に開催される事が確実で、試合開催地は南アフリカはなく、メキシコ、日本。または米国で開催される事になる。
IBF世界同級王座は4位にランクされる井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=選手が、WBC世界同級王座決定戦で那須川天心(帝拳)=7戦全勝(2KO)=選手と、11月24日にトヨタ・アリーナ東京で対戦する事が決定。レイエスとのIBF王座決定戦へ臨む事が有力と見られていた拓真選手のWBC戦出場で、レイエスの相手が誰になるのか注目されていた。
2023年11月に来日し、4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=31戦全勝(27KO)=選手のスパーリング・パートナーを務めた事もある23歳のレイエスは、身長170センチのサウスポー。昨年12月に王座を保持していた西田凌佑(六島)=10戦全勝(2KO)=選手との対戦をIBFから指令されたが、西田選手が中谷選手と王座統一戦に臨む事になり、待機を余儀なくされていた。
5月16日(日本時間17日)にメキシコ・テスココで行われた前哨戦では、フットワークを活かし距離を支配。無理をしないボクシングでイバン・エルナンデス(メキシコ)=10勝(3KO)7敗=を8回判定で破っている。

対する30歳のギーケはキャリア7年、身長168センチ、リーチ174センチのオーソドックススタイル。フライ級でのデビュー戦を引き分けた後は連勝を重ねたが、2022年10月に現IBF世界スーパーフライ級5位、WBC6位、WBO13位にランクされているジェイアール・ラキネル(フィリピン)=18勝(14KO)2敗1分=に2回TKOで敗れ初黒星。以後、7連勝中だが、これまで南アフリカ国外で戦った事はない。
ギーケは10月26日にキルギスで、同級7位ケネース・ラバー(フィリピン)=15戦全勝(10KO)=との挑戦者決定戦が計画され、8月下旬にはフィリピンで発表されていたが、今月に入り、「ファーストクラスのチケットを7枚要求したり、試合の2週間前にファイトマネーの支払いを要求して来た」(ラバーのジェリー・ぺニャロサ・マネジャー)で、交渉は暗礁に乗り上げ、ラバーは別の対戦相手探しに入っていた。
このカードはメキシコ、米国での開催の可能性よりも、日本で開催の可能性が高いと思われるが、果たしてどうか。今後の動向に注目。