WBC世界ライトフライ級王者カルロス・カニサレス(ベネズエラ)=28勝(20KO)3敗1分=の初防衛戦が、12月4日にタイ・バンコクで元WBA世界ミニマム級スーパー王者タンマヌーン・ニヨムトロン/ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)=28勝(11KO)1敗=を相手に行われると伝えられている。
カニサレスは昨年12月26日にタイ・バンコクのラジャナムダン・スタジアムで行われた王座決定戦で、パンヤ・プラダブスリ(タイ)=44勝(27KO)3敗=に2024年度最悪といわれる不可解な判定で敗れたが、WBCは即座に再戦を指令。8月1日(日本時間2日)にベネズエラ・カラカスのポリエドロ・デ・カラカスで行われたダイレクトリマッチでは、4回に不覚のダウンを喫したが、第5ラウンド、強烈なボディショットでパンヤをキャンバスへ沈め王座を獲得。
地元リングで約4年2ヶ月ぶりに世界王座返り咲きを果たしたカニサレスは、キャリア初期から歩みを共にしてきたマネージャーのウィリアムズ・ペレスと決別し、同国マラカイボを拠点とするベネズエラ・トップ・ボクシングとマネージメント契約を締結。

マラカイボのジャンカルロ・ディ・マルティーノ市長が、市政府の全面的なサポートのもと、マラカイボでカニサレスのタイトル初防衛を開催する事を1ヶ月前に、カニサレスも同席して発表されていた。
カニサレスには亀田プロモーションからキルギスでの興行への出場オファーも届いたが、自身のSNSでWBO世界同級王者レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)=14勝(9KO)4敗=に対戦を呼びかけ、サンティアゴもすぐに反応。王座統一戦実現の可能性も浮上。他に挑戦者候補としてサンティアゴと同じティト・サバラJrのオールスター・ボクシングとプロモート契約を締結する、同級7位ジャイロ・ノリエガ(スペイン)=15勝(3KO)1敗=の名前があがっていた。

WBA世界ミニマム級スーパー王座を16度防衛した35歳のタンマヌーンは、昨年11月16日(日本時間17日)にサウジアラビア・リヤドのザ・ヴィニューで開催された”リヤド・シーズン”で、WBO世界同級王者オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)=13戦全勝(10KO)=に3度のダウンを奪われ、7回1分29秒TKO負けを喫し、初黒星と共に世界王座から陥落。
今年4月に6回戦での再起戦に3回KOで勝利を収めると、5月28日にタイ・ランシットで、ローランド・トヨゴン(フィリピン)=8勝(4KO)2敗1分=を10回判定で破り、空位のABCO(アジアボクシング評議会)ミニマム級王座を獲得。8月27日に行われたライトフライ級6回戦では、4回TKO勝ちを収めている。
カニサレスが悪夢の判定負けを味わったタイに再び乗り込むとは考えにくいが、2階級制覇狙うタンマヌーンが、ライトフライ級リミットで戦ったのは8月の6回戦が初めてで、階級を上げて通用するのかも不透明。カニサレスは敵地の中でも最も難しいタイ・リングで被る不利を、どう克服するかが焦点となろう。本当に実現するのか、今後の動向に注目したい。