WBC世界ライトフライ級王者カルロス・カニサレス(ベネズエラ)=28勝(20KO)3敗1分=の初防衛戦が、12月4日にタイ・バンコクで元WBA世界ミニマム級スーパー王者タンマヌーン・ニヨムトロン/ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)=28勝(11KO)1敗=を相手に行われる事が決まり驚かされたが、なんとこの決定はカニサレス本人も知らないところで決められていた。
カニサレスは8月1日(日本時間2日)にベネズエラ・カラカスのポリエドロ・デ・カラカスで行われた、パンヤ・プラダブスリ(タイ)=44勝(27KO)3敗=とのダイレクトリマッチで、4回に不覚のダウンを奪われたが、第5ラウンド、強烈なボディショットでパンヤをキャンバスへ沈め、WBC世界ライトフライ級王座を獲得。
約4年2ヶ月ぶりに世界王座返り咲きを果たしたカニサレスだが、キャリア初期から歩みを共にしてきたマネージャーのウィリアムズ・ペレスと決別。新たに同国マラカイボを拠点とするベネズエラ・トップ・ボクシングとマネージメント契約を締結する。ペレスと決別する原因は、トレーナーのニコラス・エルナンデスとぺレスの意見の相違にあると見られている。

カニサレスはオプション契約にも縛られておらず、次戦での指名戦消化義務もなく、自由な立場で防衛戦を行える立場にあり、マラカイボのジャンカルロ・ディ・マルティーノ市長が、市政府の全面的なサポートのもと、マラカイボでカニサレスのタイトル初防衛を開催する事を、1ヶ月前にカニサレスも同席して発表されていた。
昨年12月に2024年度最悪といわれる不可解な判定で煮え湯を飲まされたタイに、カニサレスが再び乗り込み初防衛戦に臨む事になるとは誰もが予想できなかった。この話はプロモーターのスポーツ・プロダクションと、エルナンデス・トレーナーのみが知り、マネージメント契約を締結したトップ・ボクシング、マラカイボのスポンサー、カニサレス本人さえも知らないところで決定され、全く唐突に契約の締結を求められたという。
またもや不可解な判定がまかり通る事が心配されているが、幸いにも11月30日から12月5日までWBC総会がタイ・バンコクで開催される。パンヤvsタンマヌーンはWBC総会出席者が見守る中で行われる事になり、WBCのマウリシオ・スライマン会長はやまぬ批判の声に対し、「審判員が中立かつ名誉ある職務を遂行しないという無責任な批判には同意出来ません。3人の審判員とレフェリーはWBCによって指名されます。そして、我々はその場にいる」とのメッセージを発している。