10月11日(日本時間12日)、米・ペンシルベニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。WBA世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦。前IBF世界ウェルター級王者で、同級1位にランクされるジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=34勝(30KO)無敗1NC=と、同級8位ウイスマ・リマ(アンゴラ)=14勝(10KO)1敗=の一戦は、エニスが初回1分58秒TKO勝ちで新王者。
サウスポー同士の対戦。スーパーウェルター級初戦となるエニスは、オーソドックス・スタイルでスタート。しかし、すぐにサウスポーにスイッチすると右アッパーをヒット。グラついたリマに、すかさず左ストレートを決め右フックを下から上に打ち込むとリマはダウン。立ち上がったリマに襲い掛かったエニスは、連打から左ストレート、右フックを決め2度目のダウンを奪う。ここも立ったリマだが、エニスの詰めは鋭く、コーナーに詰まったリマに右フックから休みない連打。たまらずショーン・クラーク(米)主審は試合をストップした。
階級アップ初戦でエニスが快勝でWBA暫定王座を獲得。レギュラー王者アバス・バロウ(ドイツ)=17勝(9KO)1敗=とのWBA王座統一戦の義務付けは、バロウがWBO世界同級王者ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)=22戦全勝(13KO)=との王座統一戦交渉が進展中で、交渉がまとまれば来年早々にも実現が予定されており、すぐにあるかは不透明。

WBC米大陸ヘビー級王座決定10回戦。IBF世界同級15位グイド・ヴィアネッロ(イタリア)=13勝(11KO)3敗1分=と、アレクシス・バリエール(カナダ)=12戦全勝(10KO)=の一戦は、ヴィアネッロが第5ラウンドTKO勝ちで新王者。
アップライトに構えるサウスポーのバリエールは、軽くステップを踏み機を見て左ストレートを伸ばし、どっしりと構えるヴィアネッロは右ストレートをカウンターで狙う立ち上がり。2回、開始早々ヴィアネッロは右ストレートをヒットし前に出るが、終盤、バリエールも左ストレートを返した。
3回、ヴィアネッロの右ストレートと、バリエールの左ストレート。両者得意のパンチを狙い合う。4回、ヴィアネッロが前進。早くも疲れの見れるバリエールに迫り、右ストレートが決まるとバリエールは後方へよろける。追撃のヴィアネッロが左フック、右アッパーを打ち込み、さらに左右フックで畳みかけるとバリエールはダウン。何とか立ち上がったバリエールだが、ダメージは甚大。ヴィアネッロは右ストレートで追い込んだが、ここで終了ゴング。
第5ラウンド、開始早々ヴィアネッロの左フック、右ストレートがバリエールにクリーンヒット。さらにヴィアネッロが追い打ちのワン・ツー・ストレートを打ち込むと、バリエールは後方へはじけ飛ぶようにダウン。立ち上がる気配はなく、レフェリーはカウント途中で試合をストップした。

WBA北米大陸ウェルター級タイトルマッチ10回戦。王者でWBA世界同級11位のホセ・ロマン(プエルトリコ)=14勝(6KO)1敗=に、挑戦者タマー・スモールズ(米)=15戦全勝(11KO)=が挑んだ一戦は、スモールズが判定勝ちで新王者。
ジャブの差し合いでスタートした試合は、第3ラウンド、右アッパーを打ち込もうとしたロマンにスモールズの右ストレートがカウンターで決まりロマンはダウン。再開に応じたロマンは足とクリンチで、何とかこのラウンドを乗り切った。4回以降、立て直した188センチの長身ロマンは、ジャブ、右ストレートを軸に挽回を計る。
慎重に以距離をキープするロマンに対し、スモールズは距離が詰まると右ストレート、左フックを強振。6回終盤、スモールズの右ストレートがロマンにクリーンヒットするが、7回はロマンが左ボディをきれいに打ち込んだ。終盤、ロマンはガードを高く上げ、スモールズの強打を警戒しながら足を使いジャブ、右ストレート。ヒット数で上回る。
最終ラウンド、前に出るスモールズの強打は空転し、ロマンはジャブから右ストレートをヒット。接近戦でもショートパンチから左ボディを打ち込んだ。公式スコアは98-91、96-93、95-94でいずれもスモールズ。しかし、試合はクロスファイトで、スモールズの勝ちはいいが98-91には驚いた。

スーパーバンタム級6回戦。地元フィラデルフィア期待のデニス・トンプソン(米)=7戦全勝(5KO)=と、ショーン・ディアス(メキシコ)=9戦全勝(2KO)=の、20歳、無敗同士のホープ対決は、トンプソンが判定勝ち。
身長で上回るトンプソンは初回からガードを高く上げサウスポーのディアスにプレスを掛け、右ストレート、左フックをヒット。2回、にじり寄るトンプソンに対し、ディアスは機を見て左ストレートで飛び込むが、すぐにクリンチで後が続かない。中盤は接近戦での打ち合いでも、トンプソンが左フックから右アッパー。さらに左ボディでリード。
5回、トンㇷ゚ソンが圧力を強め前進。クリンチに行くディアスはホールでィングで減点1。トンプソンはディアスの左を外し、右ストレート、アッパーをカウンター。最終ラウンドもディアスを追うトンプソンの左フック、右ストレートが上回り試合終了ゴング。公式スコアは60-53、57-56トンプソンと、57-56ディアスのスプリット。常に先手で攻めたトンプソンのワンサイドかと思われたが驚いた。