元WBC世界スーパーフェザー級のV6王者ミゲル・ベルチェルト=41勝(36KO)3敗=は、10月11日(日本時間12日)にメキシコ・レイノサのUAT・フィットネスセンターで開催されたBXSTRS興行で、エディクソン・ペレス(ベネズエラ)=30勝(24KO)13敗1分=と、ライト級10回戦でグローブを交えた。
ベルチェルトは序盤からリードを奪ったが、5回、6回とペレスの反撃を許す。迎えた第7ラウンド、ベルチェルトは右ストレート、左ボディを軸に連打でペレスに迫るが、ペレスも右フックを強振し必死の応戦で喰い下がる。ベルチェルトは再三ロープ際にぺレスを押し込み、フィニッシュを狙ったがダウンを奪う事は出来ずにラウンド終了。しかし、この回が終了するとペレスは棄権。ベルチェルトのTKO勝ちとなった。

33歳のベルチェルトは昨年11月30日(日本時間12月1日)に地元メキシコ・メリダで、マウロ・ハサン(アルゼンチン)=16勝(8KO)10敗1分=に10回判定勝ちして以来のリング登場。試合前、フリオ・セサール・チャベスの激励を受けた元王者は、「レイノサの人々のために最高のショーを届けたい」と奮戦したが、ペレスの右フックを被弾するシーンもあり、打たれた場合の耐久力には相変わらず不安を残した。
約1年のブランク後の試合は、数あるオファーの中から、「この試合こそが最も自分を奮い立たせたんだ」として自ら選択したものだが、「自分は今でもライト級のトップ選手たちと戦える実力があると思っている」という言葉とは裏腹に、33歳、昨年までフェザー級以下で戦っていた小柄なペレスとの対戦は、マネージャーのマリオ・アブラハムが言う、「無理な挑戦はさせない」と符合する。
ベルチェルトは王座を失ったオスカル・バルデス(メキシコ)戦での前のめりに倒れた痛烈なKO負け。それに続くジェレミア・ナカティリャ(ナミビア)戦での棄権負けから、これで4連勝となったが、試合を観戦したチャベスもこの勝利には全く満足しておらず、王座カムバックへの道は前途多難と思える。