10月25日(日本時間26日)にメキシコ・グアダルーペのエキスポ・グアダルーペで開催された、「Clase y Talento, Uppercut Promotions, Round Zero」のメインイベントに、2試合連続で薬物検査陽性のWBC世界フライ級1位フランシスコ・”チワワ”・ロドリゲスJr(メキシコ)=39勝(27KO)6敗1分2NC=が登場。
対戦相手は直前になりラウル・ルビオ(メキシコ)=19勝(8KO)4敗1分=から、2015年8月に日本で木村悠(帝拳)選手と対戦した経験を持つヘスス・ファロ(メキシコ)=17勝(12KO)11敗=へと変更され行われた試合は、ロドリゲスJrが第2ラウンド、2分11秒レフェリーストップ勝ち。
急遽、代役としてリングに上がったファロの体は丸みを帯び、およそ現役選手とは思われず、ロドリゲスJrは試合開始から自在に攻め立てる。2回、ロドリゲスJrの左ボディがローブローとなり倒れ込んだファロに回復時間が与えられる。痛がるファロは何とか再開に応じたが、ボディを打たれ連打で防戦一方となり試合はストップ。

ロドリゲスJrが快勝で6月21日(日本時間22日)に英・バーミンガムで行われた、ガラル・ヤファイ(英)=9勝(7KO)1NC=戦以来のリング復帰を果たした。ヤファイ戦ではVADAによるドーピング検査で、興奮剤ヘプタミノールの陽性反応が検出され、WBCは試合結果をロドリゲスJrの判定勝ちからノーコンテストに変更。
WBCはロドリゲスJrを2026年6月21日まで「保護観察状態」に置く事を決定し、自己負担で最低3回のVADAのランダム検査を受ける事を義務付けたが、VADAの検査を受けないままにファロ戦は挙行された。
ロドリゲスJrは昨年12月15日(日本時間16日)に、米・テキサス州サンアントニオで行われた、ホスエ・モラレス(メキシコ)=31勝(13KO)17敗4分1NC=との8回戦でも、薬物検査で大麻成分が検出され不合格となり、試合結果はテキサス州コミッションにより、判定勝ちからノーコンテストに変更されている。
しかし、WBCはロドリゲスJrの禁止物質の摂取は偶然で、意図的ではなく、知らずに行われたものであり、パフォーマンス向上を目的としたものではなかったと裁定。2試合連続で薬物検査陽性である選手に対しての、この大甘な処分は大きく批判されているが、薬物検査を受けずに行われたリング復帰は、今後、大きな波紋を呼びそう。

共同メインとして行われた、WBCラテン・ライトフライ級王座決定10回戦。元IBF世界ミニマム級王者でWBC8位、WBO世界ライトフライ級2位にランクされるダニエル・バラダレス(メキシコ)=31勝(19KO)4敗1分2NC=と、モイセス・カロ(メキシコ)=11勝(5KO)3敗4分1NC=の一戦は、バラダレスが判定勝ちで新王者。スコアは98-92、98-92、96-94。
31歳のバラダレスは2023年10月に重岡銀次朗(ワタナベ)=11勝(9KO)2敗1NC=選手に5回TKOで敗れ世界王座から陥落して以来、これで5連勝(1NC含)。いつの間にかWBO2位までランクを上げており、1位にランクされるエリック・バディロ(メキシコ)=18戦全勝(8KO)=は、WBC1位で指名挑戦権を獲得している事から、来年は2階級制覇のチャンスが到来する可能性が高くなった。
敗れたカロは昨年11月に元WBO世界同級王者で、WBO12位、WBC13位にランクされるエルウィン・ソト(メキシコ)=21勝(13KO)3敗1分=と引き分けて以来の試合だったが王座に届かず。また、ソトは11月29日(日本時間30日)に米・カリフォルニア州フレズノのセーブ・マート・センターで、バディロと対戦する事が決まっており、来年の王座戦線へ向け大いに注目される。
