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元IBF世界スーパーバンタム級、フェザー級の2階級制覇王者キコ・マルチネス(スペイン)の肖像がデザインされた郵便切手が、10月28日(日本時間29日)にスペインで正式に発表される。サッカー少年だったマルチネスは、14歳の時に偶然のぞいたジムでボクシングを始め、2004年6月プロデビュー。

2013年8月、米・ニュージャージー州アトランティックシティで、23戦(12KO)無敗のIBF世界スーパーバンタム級王者ジョナサン・ロメロ(コロンビア)を6回TKOに破りIBF世界スーパーバンタム級王座を獲得。2014年4月、2度目の防衛戦で来日し、大阪城ホールで元WBC世界バンタム、フェザー級王者の長谷川穂積(真正)選手の挑戦を7回TKOで撃退したが、試合後、長谷川選手をリスペクトするマルチネスの姿に日本人ファンは心を打たれた。

Kiko Martinez vs. Hozumi Hasegawa
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2014年9月、英・ベルファストで後の2階級制覇王者カール・フランプトン(英)との指名戦で、12回判定負けを喫し王座陥落したマルチネスは、以後、3度の世界王座挑戦に失敗。しかし、闘い続けるマルチネスは、2021年11月、英・シェフィールドでIBF世界フェザー級王者キッド・ギャラード(カタール)=28勝(17KO)3敗=へ挑戦のチャンスを掴む。

世界15位のマルチネスは完全に咬ませ役のアンダードックだったが、大番狂わせの6回TKO勝ちで2階級制覇を達成。35歳で7年ぶりに世界王座に復帰した新王者は、「この3年間、体調管理に気を配り、休みなく365日トレーニングを続けて来た」と語り胸を張った。

2022年3月に英・リーズで一度敗れているジョシュ・ワーリントン(英)=32勝(8KO)4敗1分=との再戦に応じたマルチネスは、初回ワーリントンのバッティングにより大きなダメージを被ったことが尾を引き7回TKO負けで王座陥落。試合後、思うような戦いが出来なかった事を残念がったが、ワーリントンが顎と左手の骨折が判明した事を知ると、すぐさまワーリントンに対し励ましのメッセージを送っている。

マルチネスには引退を進める声が強かったが、「負けても勝っても、娘たちにあきらめないことを教えるには、立ち上がらなければならないのです」と、直ぐにトレーニングを再開。2022年10月に英・ロンドンで行われた再起戦で、IBF7位のジョーダン・ギル(英)=28勝(9KO)3敗1分=を7回TKOで破り、またしても英国ファンを驚かせた。

Kiko Martinez vs. Reiya Abe
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2013年4月8日、再び来日したマルチネスは、東京・有明アリーナで行われたIBF世界フェザー級挑戦者決定戦で、阿部麗也 (KG大和)=28勝(10KO)4敗2分=選手と対戦するが12回判定負け。帰国後すぐにトレーニングを再開し、「誰にでも、好きなことをする権利がある。それが他の誰にも害を与えない限りは」と語っていたが、阿部選手との試合を最後に引退を発表。

マルチネスは19年間のプロ生活に別れを告げたが、その努力と闘魂はスペイン国内のみならず、多くのボクシングファンの心を掴んでいた。切手になってしまうとは驚きましたが、うれしい限りですね。

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