WBCは男子選手としては史上初の3階級での4団体王座統一を達成した、5級制覇の4団体統一世界スーパーミドル級王者テレンス・クロフォード(米)=42戦全勝(31KO)=の王座を剥奪。WBCのマウリシオ・スライマン会長は、クロフォードが最近2試合の試合承認料を支払っていない事を理由に挙げているが、クロフォードは「お前、何様だと思っているんだ!」と大激怒。
スライマン会長はクロフォードはWBCに対し合計で約30万ドルを支払う必要があるとし、さらに罰として10万ドルを上乗せ。そのうち22万5千ドルは、困窮しているボクサーを支援するホセ・スライマン基金に充てられる予定だった。
クロフォードは、「WBA、WBO、IBF全ての団体は、私が提示した条件を受け入れた。WBCが他の団体よりどこが優れているというんだ」とまくしたて、スライマン会長は「俺がカネロに勝った後、不機嫌だった」と続け、「お前は金を受け取るべきだったんだ。そして、それに感謝すべきだった」と強調。

さらに、「命を懸けてるのは俺だ、お前らじゃない。正直に言うなら、お前らが俺に金を払うべきだ。こいつが飛行機に乗って、ホテルのスイートルームに泊まって、仲間とディナーに出かけて、5つ星の食事を楽しみ、そんなことしてるのを見ると腹が立つぜ。で、その代金を払うのは誰だと思う。俺たちファイターだ。お前らがここ(今年のWBC総会が開催されたタイ)に来るための費用、お前らが人生で最高のホテルに泊まるための費用、全部俺たちの金で賄ってるんだ」とこきおろした。
これに対しスライマン会長は、「私は会ったことはないが、聞いた話では非常に攻撃的で、非常に下品な人物だそうだ」とやり返し、ホセ・スライマン基金に40万ドルを寄付したカネロを大いに持ち上げ、承認料を支払わないクロフォードと比較。WBCからの永久追放を示唆している。
クロフォードは保持する真のタイトルは、唯一ザ・リングのタイトルであると主張。サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣が、カネロvsクロフォードのプロモーターを務め、TKOボクシング・プロモーションを立ち上げたダナ・ホワイトUFC会長と、来年からスタートさせるボクシングの新形態「ズッファ・ボクシング」への参入が有力視される。
