12月6日（日本時間7日）に米・テキサス州サンアントニオのフロスト・バンク・センターで、WBC世界フェザー級王者スティーブン・フルトン（米）＝23勝（8KO）2敗＝に完勝し、WBC世界ライト級暫定王座を獲得した、WBC世界スーパーフェザー級王者オシャキー・フォスター（米）＝24勝（12KO）3敗＝は、スーパーフェザー級に留まる事を決めライト級暫定王座を返上。
フルトンとの一戦は自身が保持するスーパーフェザー級王座の防衛戦として行われる予定だったが、フルトンは前日計量でリミットを2ポンド超過し、再計量までの2時間の猶予を使わずにあっさりと減量を放棄し計量失格。フォスターはリミットの130ポンドで計量をクリアしていた。
フルトンが勝利した場合でも王座獲得無しの変則世界戦として試合は行われるものと思われたが、プロモーターのプレミア・ボクシング・チャンピオンズを代表するTGBプロモーションは、試合をライト級暫定王座決定戦として承認する事を要請。WBCは僅か数時間のうちにこの無理な要求を受け入れたが、フルトンの減量放棄ともとれる姿勢と、この手際の良さは、事前から何らかの働きかけがあったのではないかと疑われても仕方ない。
しかし、困った事に4日前に総会に於いて1位リカルド・ヌニェス（パナマ）＝26勝（22KO）6敗1分＝と、3位ハディエル・エレーラ（キューバ）＝17戦全勝（15KO）＝の一戦を暫定王座決定戦として承認した直後でもあり、ライト級では何の実績もない両者による急ごしらえの暫定王座決定戦は、世界のボクシングファン、関係者を呆れさせ、その姿勢は強く批判された。
ヌニェスvsエレーラは、来年1月10日（日本時間11日）にドイツのデュッセルドルフで開催が予定されており、WBCにとってはフォスターがライト級暫定王座を放棄した事は渡りに幸い。ライト級暫定王者のまま、スーパーフェザー級王座を保持する事を認められていたフォスターには、ライト級での特別特権が残される事になった。
WBC世界スーパーフェザー級は、1位マーク・マグサヨ（フィリピン）＝28勝（18KO）2敗＝と、同級2位マイケル・マグネシ（イタリア）＝25勝（13KO）2敗＝による挑戦者決定戦が、来年1月31日（日本時間2月1日）に開催される予定だが、この試合が暫定王座決定戦になる可能性があると見る向きもある。
