12月17日、東京・両国国技館で開催されたトリプル世界戦をリングサイドから観戦した。WBA世界ライトフライ級レギュラー王者高見亨介(帝拳)=10勝(8KO)1敗=選手と、WBO世界同級王者レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)=15勝(9KO)4敗=の試合は、高見選手が動きながら右カウンターを狙うサンティアゴに対し、右ボディストレート、左ボディを有効に使い試合を支配しているかのように見えた。
途中手数が減るラウンドもあったが、ジャブの差し合いでも負けず、うかつな深追いもせずに、サンティアゴの良さを殺しているかのように思われたが、試合後のリング上で読み上げられたスコアは、リチャード・ブルーイン(カナダ)115-113でンティアゴ。
うーん、そういう見方もあるのかと思いながら聞いた、ピニット・プラヤサブ(タイ)のスコアは116-112で高見選手。そして3人目のスコアは117-111とアナウンス。「このスコアなら高見選手でしょう」と、エディ・タウンゼント賞を受賞している大竹重幸氏につぶやくと、「そうだな」の返事。
しかし、レシェク・ヤンコヴィアク(ポーランド)はサンティアゴの117とスコアしていた。あの流れ、展開で、9ラウンドも取られたとは思えず、117とは全く驚いた次第です。試合後のリングサイドも慌ただしかった。

そしてメインイベントのWBA世界バンタム級王座統一戦。レギュラー王者の堤聖也(角海老宝石)=13勝(8KO)無敗3分=選手と、暫定王者ノニト・ドネア(フィリピン)=43勝(28KO)9敗=の一戦は、前半5回まではドネアが左フック、アッパーの強打と、右アッパーでリード。
堤選手はこのまま終わるのかと思われた第6ラウンドから圧力を強め押し返したが、ドネアも左フックカウンターを返し譲らない。7回以降ジャブを多用し、リードを保とうと作戦を変容して来たが、堤選手はもの凄い闘志でドネアのディフェンスラインを突破。後半のラウンドを押さえ試合終了。
公式スコアはロバート・ホイル(米)116-112でドネア。これは厳しい見方だなァと感じたが、続くピニット・プラヤサブ(タイ)は115-113で堤選手。勝敗を分けたのは、レシェク・ヤンコヴィアク(ポーランド)の117-111で堤選手のスコアリングとなったが、ドネアが3ラウンドしか取れていなかったというのにも驚いた。
「堤選手の勝ちはいいけど、117はないよなァ」というのが正直な感想。ヤンコヴィアク氏は、7月30日に横浜BUNTAIで行われた、寺地拳四朗(BMB)=25勝(16KO)2敗=選手と、リカルド・サンドバル(米)=27勝(18KO)2敗=戦も担当。この時は115-112でサンドバルとしていた。
