大晦日、東京・大田区総合体育館で開催された、「SANKYO presents LIFETIME BOXING FIGHTS 30」のメインイベント。WBA世界バンタム級挑戦者決定10回戦。元世界4階級制覇王者でWBA世界同級9位にランクされる井岡一翔(志成)=31勝(16KO)4敗1分=選手と、同級11位マイケル・オールドスゴイティ(ベネズエラ)=15勝(14KO)1敗=の一戦は、井岡選手が4回2分42秒KO勝ち。
階級アップ初戦の井岡選手は慎重な立ち上がり、ジャブを突きオールドスゴイティの力量を計る。オールドスゴイティは決め手の左フックを振るが、初回は静かな立ち上がりとなった。第2ラウンド、井岡選手の左ボディでオールドスゴイティはあっけなくダウン。ここは立ち上がり再開となったが井岡選手は深追いはしない。
3回、オールドスゴイティは打って出たが、井岡選手は冷静に対応しボディブローを狙う。4回、オールドスゴイティはスイッチを織り交ぜ攪乱するが、井岡選手は全く慌てない。冷静にオールドスゴイティを追い、再び左ボディを決めテンカウントKO勝ち。
14KOのうち7度の初回KOを含め13度を3ラウンド以内で終わらせている強打の持ち主オールドスゴイティは、リヤド・シーズン・WBCボクシング・グランプリのフェザー級部門に出場。4月にアンヘル・サウセダ(メキシコ)=12勝(5KO)無敗1NC=と対戦したが、前日計量でオーバーウェイトの末に6回判定負け。
戦績の良さが買われて井岡選手との挑戦者決定戦の相手に選ばれ世界ランキング入りしたが、これまで10回戦の経験は一度だけ。世界4階級制覇を果たしている井岡選手とでは力の差がありすぎた。

セミファイナル。WBA世界ライトフライ級挑戦者決定10回戦戦。同級2位吉良大弥(志成)=3戦全勝(2KO)=選手と、同級7位イバン・ガルシア・バルデラス(メキシコ)=13勝(5KO)4敗1分=の一戦は、吉良選手が第2ラウンド27秒KO勝ち。
試合は偵察戦を終えた2回、バルデラスのジャブに併せた吉良選手の右ストレートカウンターがドンピシャのタイミングでヒット。キャンバスへ落下したバルデラスは立ち上がる事が出来ずテンカウントを聞いた。
WBA王者レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)=15勝(9KO)4敗=への挑戦権を獲得した吉良選手は、日本男子最速記録タイとなるプロ5戦目での世界王座獲得を狙う事になった。しかし、サンティアゴの次戦はWBO1位にランクされた前王者の岩田翔吉(帝拳)=15勝(9KO)2敗=選手との対戦が有力と見られ、吉良選手は勝者へ挑戦する事になると見られる。
