7月7日、東京・両国国技館で開催された、WBA、IBF世界スーパーフライ級王座統一戦で、WBA王者井岡一翔(志成)=30勝(16KO)3敗1分=選手は、IBF王者フェルナンド・”プーマ”・マルティネス(アルゼンチン)=17戦全勝(9KO)=に12回判定負け。念願の王座統一ならず。無念の涙をにじませた。

初回からマルティネスは左右フック、アッパーを振り回し井岡選手に迫った。井岡選手は得意の左ボディを打ち込み動きを止めたが、マルティネスは再び攻勢に出た。

マルティネスのコンパクトな右ストレートが井岡選手を襲う。

井岡選手の気迫もすさまじく、マルティネスの手が止まると右ストレート、左ボディを軸に反撃。

マルティネスは最後まで衰えを見せず、両者、死力を尽くした攻防戦は終了。マルティネスの手が挙がった。

勝者マルティネスも感激の涙を流した。

公式スコアはエドワード・エルナンデス・シニア(米)120-108、スタンレー・クリストドゥル(南アフリカ)117-111、ジャン・ピエール・ヴァン・イムシュート(ベルギー)116-112で、いずれもマルティネス。

「1ラウンド1ラウンド、倒すつもりで全身全霊で戦った」と話した井岡選手は、「自分の生き方、戦い方は貫いたかなと思う」と、穏やかに試合を振り返った。今後に付いては、「考えていたことが全く白紙になったので、考えようがないですね」としている。

王座統一に成功したマルティネスは、「リングで出来る事は全てやった。自分の望んでいた通りの戦いだった。すべての人に感謝したい」と話し、再び日本のリングへ上がる可能性も示した。今後は、WBC王者ジェシー・ロドリゲス(米・帝拳)=20戦全勝(13KO)=、WBO王者田中恒成(畑中)=20勝(11KO)1敗=選手との統一戦に興味を示し、「全てはファイトマネー次第」と、強いプロ意識を見せている。