元WBC世界ヘビー級王者で、現在14位にランクされるデオンテイ・ワイルダー(米)=43勝(42KO)4敗1分=が、再起を表明。元UFC王者で元WBC世界ヘビー級10位のフランシス・ガヌー(カメルーン)=2敗=との対戦を希望。まだ、トレーニングを続けているというワイルダーは、「様々な国から、いろんなオファーが来ている。僕にとってベストはこれからだよ」と語り、以前、対戦話があったガヌー戦を要求。ガヌーも受けて立つ構えを見せている。

ワイルダーは2020年2月に行われたタイソン・フューリー(英)=34勝(24KO)1敗1分=との第2戦で、7回TKOで敗れ初黒星を喫すると共に世界王座から陥落。2021年10月のフューリー第3戦では、ダウン応酬の大激闘を演じたが11回KOで敗れ世界王座奪還ならず。フューリー戦連敗後の2022年10月に、ロバート・ヘレニウス(フィンランド)=32勝(21KO)5敗=を、初回、右強打一発で粉砕し再起に成功した。

しかし、この後は間が開き、昨年12月23日(日本時間24日)にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで行われたジョセフ・パーカー(ニュージーランド)=35勝(23KO)3敗=戦では、全く良いところなく12回判定負け。今年に入り、6月1日(日本時間2日)に同所で行われた、チャン・ツィーレイ(中国)=27勝(22KO)2敗1分=戦では、5回1分51秒KO負け。すっかり自信が無くなったような戦いぶりで、試合後、引退を勧める声が多く上がった。

しかし、ワイルダーは、最近の不調を右肩の負傷によるものであるとした上で、「俺には7人の子供がいるんだ。多くの人間の面倒を見て来たが、多くの人間に裏切られた。それは失恋よりもひどいことだよ」と話し、精神的にダメージを受けていたことを告白。

映画”ロッキー”のシルベスター・スタローンの言葉。「どれだけ打たれても、前に進み続けることができるかということだ 」に感銘を受けたワイルダーは、不安定な精神面に付いては専門家にサポートを受けており、トレーナーには元世界ライトヘビー級王者アントニオ・ターバー(米)を迎え入れ、最後の挑戦としてリングに戻ることを目指す。