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12月17日に東京・両国国技館で行われたWBA世界バンタム級王座統一戦で、レギュラー王者の堤聖也(角海老宝石)=13勝(8KO)無敗3分=選手に敗れた、43歳の前暫定王者ノニト・ドネア(フィリピン)=43勝(28KO)9敗=が現役続行を宣言。主要4団体全てに対し、即時のタイトル挑戦権を正式に要請した。

堤選手との試合は稀に見る大激戦。ドネアは第4ラウンド、強烈な右ストレートで堤選手の鼻柱をカット。間髪入れずに右アッパーを打ち込むと、堤選手の膝が揺れた。序盤戦はこのまま仕留めるのか、という程の猛攻でドネアがリード。

しかし、中盤から堤選手は追い上げを開始。両選手は顔面を腫らしながらの激しい打撃戦を展開。共に力を振り絞り、12回を戦い抜いた。公式スコアはロバート・ホイル(米)116-112でドネア。ピニット・プラヤサブ(タイ)は115-113で堤選手。レシェク・ヤンコヴィアク(ポーランド)は117-111で堤選手とし、2-1のスプリット判定で堤選手が勝利。

Seiya Tsutsumi vs. Nonito Donaire
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ドネアは「試合には勝ったと思うが、判定で勝てなかったのは非常に不運だった」と語り、「堤選手を貶めるつもりはない。彼はよくやった。真の戦士だ。ただ、勝つには十分なことをしたと感じている。私が確実に示したのは、バンタム級のどの王者とも互角に戦えるということだ。私はまだ終わっていない。ノニート・ドネアの活躍はこれからだ。再び王座を奪還する」と宣言。

ドネアに勝利した堤選手は、WBAから休養王者となったアントニオ・バルガス(米)=19勝(11KO)1敗1分1NC=と120日以内に対戦するよう義務付けられているが、堤選手はドネア戦で鼻骨を骨折し4時間に及ぶ手術を受けており、この期間内にバルガスと対戦できるかどうかは、不透明な状況となっている。

Seiya Tsutsumi
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ドネアは堤選手がバルガスと対戦できない場合、代役として出場する用意がある意思を明らかにしている。しかし、WBAは同級9位の井岡一翔(志成)=31勝(16KO)4敗1分=選手と、11位に押し込んだマイケル・オールドスゴイティ(ベネズエラ)=15勝(14KO)1敗=による挑戦者決定戦を承認。試合は大晦日に東京・大田区総合体育館で行われる。

そして予想は井岡選手が圧倒的に有利。これまで10回戦の経験が一度だけというオールドスゴイティでは勝負になるまい。この試合の勝者がレギュラー王座戦に即絡んで来るのかどうかはわからないが、レギュラー王座への挑戦権を獲得するのは確かで、堤選手の負傷の回復具合により今後のスケジュールが具体化される事になる。

今度の試合がABEMAから離れLEMINOから放映される事になった井岡選手は、「ベルトの色にはこだわらない」とも発言しており、5月3日に予定される井上vs中谷の東京ドーム決戦興行で、WBC王者井上拓真(大橋)=21勝(5KO)2敗=選手と対戦する可能性もある。

Nonito-Donaire-Mrs.-Rachel

ドネアのマネジャー&トレーナーのレイチェル・ドネア夫人は、この2年間、私たちは各団体のコンベンションに足を運び、ランキング入りを求め続けてきました。堤選手との試合内容、パフォーマンス、パンチ数、採点。全てにおいて、彼が今なお最高レベルで戦えることを証明しています。」と語り、WBC、WBO、IBFに対しても正式に即時世界王座挑戦権獲得を要請した理由を語っている。

しかし、一番可能性があるのは空位となったWBA暫定王座への返り咲きで、WBAもドネアの暫定王座決定戦出場へは前回同様協力を惜しまないだろう。

来年、バンタム級にはWBA、WBC、WBO世界スーパーフライ級統一王者のジェシー・”バム”・ロドリゲス(米)=23戦全勝(16KO)=が参戦して来る事も確実で、日本人王者との対戦も期待されるが、ドネアとの対戦もある?。

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