7月19日(日本時間20日)に米・ラスベガスのMGMグランドで行われた、WBC世界ウェルター級タイトルマッチで、46歳の元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗3分=が、王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗2分=と12回引き分けを演じ、驚異のリング復帰を果たした。

プレミア・ボクシング・チャンピオンズ興行のメインイベントとして行われた試合は、会場に「マニー」コールが響き渡り、米・テキサス州に住むバリオスは、まるで敵地で戦っているかのような雰囲気にのまれたか、ジャブ以外に効果的ヒットを奪うパンチが出ないまま12回を終了。

公式スコアはマックス・デルーカ(米)115-113バリオス、ティム・チェイサム(米)114-114、スティーブ・ワイスフェルド(米)114-114の1-0。ジャッジ三者共にラスト3ラウンドをバリオスに与えており、パッキャオに疲労の色があらわれた終盤に、圧力を強めたバリオスが追い上げ、パッキャオの王座返り咲きを阻んだ形となった。

Manny Pacquiao vs Mario Barrios official

パッキャオの勝利を支持する声も多数あり、ファンの中には「パッキャオは盗まれた」との意見もある。パッキャオの得意のステップインを効かせたワン・ツー連打は影を潜め、終盤は疲れたが、約4年ぶりのリングで現役世界王者と引き分けたという事実には驚かされるばかりである。

試合後、「勝ったかと思った」と語ったパッキャオは、「バリオスのガードの固さとカウンターが勝利を阻んだ」と王者を称えたが、練習期間が2ヶ月しかなかった事を告白。次は3ヶ月半から4ヶ月、ちゃんとトレーニングする事を前提に再戦を要求。

バリオス陣営もビッグマネーが望めるパッキャオとの再戦には支障がなく、大いに乗り気で、すでに再戦は合意されているとも伝えられている。

しかし、MPプロモーションのショーン・ギボンズは、「バリオスはいい男だが、マニーはジェルボンテ・デービスやロランド・ロメロのようなビッグネームと戦うべきだ」と語り。もう一人の対戦相手候補として、フロイド・メイウェザーの名をあげている。

Floyd Mayweather, Jr. vs. Manny Pacquiao

「メイウェザーがプロボクシングに復帰することに同意すれば、パックマンは彼と雌雄を決するためにリングに上がるだろう」

パッキャオ自身も、「もし彼が復帰を表明し、契約書にサインをすれば、私たちは戦うことになる。彼が望むなら、私は何の問題もない。僕は今アクティブだ」と語り、含みを持たせた。

パッキャオとメイウェザーは、2015年5月2日(日本時間3日)に米・ラスベガスのMGMグランドで対戦。メイウェザーが12回判定勝ちを収めたが、PPV販売数は460万件に達するスーパーファイトだった。48歳のメイウェザーはパッキャオ戦後2試合を戦い、50戦無敗(27KO)の記録を残し引退。2017年8月以来、プロボクシング公式戦のリングには上がっていない。

パッキャオが復活を遂げた今、メイウェザーの復活もあるのか。パッキャオ陣営はエキシビション・ファイトでの対戦も視野に入れており、今後の動向が注目される。