7月19日(日本時間20日)、米・ラスベガスのMGMグランドで開催された、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ興行のメインイベント。WBC世界ウェルター級タイトルマッチ。46歳の元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗2分=が、WBC世界同級王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗1分=の持つ王座に挑んだタイトル戦は、12回引き分け。
パッキャオがリングに立つのは、2021年8月に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、ヨデル・ウガス(キューバ)に敗れて以来、約3年11ヶ月ぶり。会場のマニー・コールに押されて試合開始ゴングを迎えた試合は、パッキャオがいつものように上体を振り、左ストレートを上下に散らし仕掛ける。バリオスは慎重にパッキャオの動きを見た。
2回、バリオスは速いジャブを突き、右ストレートをボディへ伸ばす。パッキャオは、右フック、左ストレートを返した。3回、パッキャオはジャブから左ボディストレート。バリオスはよく見ながらジャブを放ち、右ストレートを返すと、左アッパーを突きあげた。
4回、バリオスはジャブを突き、右ストレートをボディに送り慎重に組み立てる。パッキャオは容易にステップイン出来ない。5回、バリオスは速いジャブを当てパッキャオの前進を阻み、右ストレート、左ボディ。

6回、パッキャオは左ボディストレートから右フック。バリオスは動じず、ジャブを放ち右ボディストレート。終盤、パッキャオが仕掛けると、バリオスも応じ打ち合いとなる。7回、バリオスの伸びるジャブがパッキャオを捕らえる。飛び込んで来るパッキャオにバリオスは右カウンターを見せた。
8回、ガードを高く上げた位置から放たれるバリオスのジャブが邪魔なパッキャオだが、終盤、ポジションを変え左ストレートからの連打を打ち込んだ。9回、パッキャオは角度を変え左ストレート、右フックをヒット。バリオスはジャブ以外のパンチが極端に少ない。
10回、バリオスが手数を増やし、ジャブ、ワン・ツーから左ボディ。しかし、パッキャオも動いて左、右、左と連打を返す。11回、バリオスの右ストレートがパッキャオを捕らえるが、パッキャオもワン・ツーを返す。バリオスのジャブ、右ストレートに対し、パッキャオはサイドへ動き、左ストレート、右フック。
最終ラウンド、マニー・コールに送られたパッキャオは動いてワン・ツー。バリオスはジャブ、右ストレートで追うが、連打をまとめる機会はなく試合は終了。公式スコアは115-113バリオスと、114-114、114-114。終盤追い上げたバリオスが、引き分けに持ち込んだ形となった。

最後まで動き続けた国際ボクシング殿堂入りを果たしている46歳のパッキャオは、「勝ったかと思った」と語ったが、「バリオスのガードの固さとカウンターが勝利を阻んだ」と言い王者を称えた。そしてパッキャオは、今後もリング活動を続けて行くことを表明。バリオスも再戦に応じる考えを表明している。