45歳の元6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗2分=がリング復帰を計画。9月に米・ラスベガスで、WBC世界ウェルター級暫定王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗=と対戦する交渉が進められている。WBCは世界ウェルター級王者テレンス・クロフォード(米)=40戦全勝(31KO)=を休養王者に認定。MPプロモーションのショーン・ギボンズ社長は、パッキャオvsバリオスがWBC世界ウェルター級王座決定戦として行われる可能性がある事を示唆。

パッキャオは2021年8月に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、WBA世界ウェルター級スーパー王者ヨデル・ウガス(キューバ)の持つ王座に挑戦し、判定で敗れた試合を最後に現役引退を表明すると共に、フィリピン大統領選挙への出馬を表明。

2010年、フィリピン下院議員に初当選したパッキャオは、2期連続下院議員を務めた後、2016年からは7位で当選した上院議員となっていた。しかし、2022年5月に行われた大統領選挙では、フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏が約3,162万票で当選。パッキャオは3位で敗れたが、獲得した票は約366万票で、得票率は6.81%にとどまった。

今年に入り、パッキャオはパリ・オリンピックへの出場を表明。特別枠での出場をフィリピン・ボクシング委員会を通じ申請していたが、国際オリンピック委員会は45歳の高齢を理由に却下した。

米国での税金滞納、パラダイム・スポーツ・マネージメントから訴えられ敗訴した、契約違反による総額800万ドル(約12億5300万円)以上の支払い義務などを抱えるパッキャオは、来年、再び上院議員返り咲く為にも稼がなくてはならない。

今年に入り、精力的にトレーニングを消化しているパッキャオは、「40歳のときにキース・サーマンを倒して歴史に名を刻んだ。45歳でも歴史に名を刻みたい」と語り、真剣にリング復帰を目指している事を表明している。

一方のバリオスは、「パッキャオは私が幼少期から尊敬していた人物であり、将来の殿堂入り選手を果たすレジェンドだ。彼とリングを共にすることは名誉なことであり、夢が叶う事になる」と話し、試合が実現に向け交渉されている事に対し、「とても興奮している」と胸中を明かしている。

果たして、WBCはこの試合を王座決定戦として承認するのか?。普通はあり得ないが、マウリシオ・スライマン会長なら、それがあっても不思議ではない。今後に注目。