3月29日、愛知県国際展示場で開催されたIBF世界フライ級タイトルマッチ。王者アンヘル・アヤラ(メキシコ)=18戦全勝(8KO)=に、IBF世界ライトフライ級王者矢吹正道(LUSH緑)=17勝(16KO)4敗=選手が挑んだ一戦は、矢吹選手が12回1分54秒TKO勝ち。
チャンピオン同士の一戦。初回、矢吹選手はジャブから右オーバーハンドを狙う。終了間際、矢吹選手の左フックがカウンターで決まりアヤラはダウン。しかし、ここは立ってラウンド終了。2回、アヤラはサウスポーにスイッチを見せる。しかし、矢吹選手はジャブを当て、相打ちのタイミングで右ストレートを打ち込み、アヤラから2度目のダウンを奪う。
3回、偶然のバッティングで矢吹選手が右頬、アヤラは右目上をカット。矢吹選手の傷は大きい。4回、互いに出血が激しいが、矢吹選手はジャブを当て、左フックをヒット。5回、矢吹選手はジャブを効果的にヒット。アヤラはなかなか攻め込めない。
6回、サウスポーにスイッチしたアヤラに矢吹選手の右ストレートがヒット。矢吹選手の左の前にアヤラは仕掛けられない。7回、打ち気に出るアヤラに矢吹選手の右ストレートがカウンターで決まる。8回、アヤラが左フック、右ストレートで攻勢に出る。矢吹選手も譲らず、右カウンターで対抗。危険なタイミングでのパンチ交換となった。
9回、矢吹選手がジャブを中心に右ストレート、左を上下に打ち分けリード。10回、アヤラが前進。矢吹選手は回り込みながらジャブ、右をアウトサイドから叩きつけた。11回、両選手の出血が激しい。出てくるアヤラに矢吹選手はジャブを突き、右を多彩な角度から打ち込む。
最終ラウンド、矢吹選手の右ストレートが再びカウンターで炸裂しアヤラがダウン。ここも立ちあがったアヤラだが、ダメージは大きく、矢吹選手の追撃でよろめくと中村勝彦主審は、すかさず試合をストップ。矢吹選手が見事な勝利で2階級制覇に成功。好ファイト。
フライ級王座を獲得した矢吹選手は、戦前から今後はフライ級で戦って行くことを示唆しており、ライトフライ級王座を返上した場合、120日以内に同級1位フェリックス・アルバラード=42勝(35KO)4敗=との対戦を義務付けられている。
セミファイナル。OPBF・東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ。王者ジーメル・マグラモ(フィリピン)=30勝(23KO)4敗=に、同級4位横山葵海(ワタナベ)=2勝(1KO)=選手が挑んだ一戦は、横山選手が判定勝ちで新王者。
初回、左の差し合いで上回り好スタートを切った横山選手に対し、第2ラウンド、マグラモはプレスを強め前進。しかし、横山選手はジャブ、右アッパー、左ボディとうまく打ち分け、序盤戦をリード。4回終了後の公開スコアは40-36、39-37、39-37で横山選手がリード。
5回、横山選手は動いてジャブ、右カウンター。出て来るマグラモに的を絞らせず、クリーンヒットを奪う。インファイトに出るマグラモだが、横山選手のスピードに付いて行けず、被弾が増える。8回終了時点での公開スコアは、79-73、78-74、78-74で横山選手がリード。
9回、逆転を狙うマグラモは距離を詰め、左ボディから右フックをヒット。しかし、11回、横山選手は右ストレートを決め、続く左ボディでマグラモの動きが止まった。最終ラウンド、横山選手は足を使いスピードある連打で、マグラモに付け入る隙を与えず試合終了ゴングを聞いた。公式スコアは118-110、117-111、117-111。
プロ3戦目でOPBF・東洋太平洋王座を獲得した横山選手は、元OPBF・東洋太平洋フェザー級王者の堤駿斗(志成)選手に並ぶ国内最速タイ記録を達成。世界戦も経験している、キャリアあるマグラモに完勝した横山選手の今後に注目。