元IBF世界スーパーバンタム級&WBAスーパー王者でWBA世界同級1位のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)=11勝(8KO)1敗=と、同級13位リカルド・エスピノサ(メキシコ)=30勝(25KO)4敗1NC=による、WBA世界同級暫定王座決定戦が、12月14日(日本時間15日)にモナコ・モンテカルロのサル・デ・エトワールで開催される、マッチルーム・ボクシング興行で行われる。放映はDAZN。

29歳のアフマダリエフは、4団体の世界同級王座を保持するWBAスーパー王者井上尚弥(大橋)=28戦全勝(25KO)=選手への指名挑戦を懇願。WBAは6月13日(日本時間14日)に井上選手とアフマダリエフの対戦を指令。交渉期間は30日間で、試合は9月25日(日本時間26日)までに行うよう通告したが、これは保留される形で、井上選手は9月3日に東京・有明アリーナで、TJ・ドヘニー(アイルランド)=26勝(20KO)4敗=と対戦し、7回16秒TKO勝ち。

次戦は12月24日に東京・有明アリーナで、IBF&WBO世界同級1位にランクされるサム・グッドマン(オーストラリア)=19戦全勝(8KO)=の挑戦を受ける事が発表されたばかりだが、WBAは最近また復活させた無意味な暫定王座の設置を承認。しかし、誰もが認める世界王者の井上選手が存在するのに行われる暫定王座決定戦は、早くも大きな批判を浴びている。

アフマダリエフは昨年4月8日(日本時間9日)に米・テキサス州サンアントニオのテック・ポート・ボーイング・センターで、マーロン・タパレス(フィリピン)=39勝(20KO)4敗=にスプリットの判定で敗れ、世界王座から陥落。同年12月16日(日本時間17日)に米・アリゾナ州グレンデールのデザート・ダイヤモンド・アリーナで行われた、WBA挑戦者決定戦で、ケビン・ゴンサレス(メキシコ)=27勝(14KO)1敗1分=を8回TKOで破り、再起に成功している。

メキシコ・ティファナをホームタウンとする27歳のエスピノサは、2019年4月20日(日本時間21日)に米・カリフォルニア州カーソのンディニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われた、WBO世界バンタム級暫定王座決定戦で、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)=34勝(23KO)4敗1分=に12回KO負け。

2021年5月15日(日本時間16日)には、米・テキサス州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツパークで、アフマダリエフにスプリットの判定で敗れIBF世界スーパーバンタム級王座を失っていたダニエル・ローマン(米)=29勝(10KO)4敗=に10回判定負け。その後は5勝(4KO)1NCの記録を残しているが、勝利したのはいずれも前戦で敗れている選手ばかり。

順当に行けば、アフマダリエフが地力の差でエスピノサを破り、暫定王者となるだろう。そして、WBAはどのような指令を降すのかが注目されます。しかし、Box Recから抹消されてしまった、WBAタイトルの将来的な行方も心配になります。