11月15日(日本時間16日)、メキシコ・サンルイスポトシのコロセウム・アリーナで開催された、トップランク&サンフェル・プロモーション興行のメインイベント。WBO世界フェザー級タイトルマッチ。王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ)=27戦全勝(23KO)=に、同級9位アーノルド・ケガイ(ウクライナ)=23勝(14KO)2敗1分=が挑んだ一戦は、エスピノサが11回KO勝ち。
初回、185センチの長身、リーチ188センチの長いリーチを持つエスピノサは、ロングレンジからジャブを放ち、ボディを狙うが強いパンチではない。2回、ギアを上げたエスピノサはジャブから右アッパーをヒット。身長165センチ、リーチ168センチのケガイは、容易に近づけない。
3回、王者のジャブ、右アッパーに対し、挑戦者は右オーバーハンド、左フックを返す。4回、エスピノサの右アッパーでケガイは鼻から出血。しかし、ケガイの右オーバーハンド、左フックもヒット。5回、エスピノサはジャブを伸ばし、サイドへ動き左右アッパーを突きあげる。
6回、エスピノサの左右アッパー連打に対し、ケガイは単発ながら右オーバーハンド、左フックを返す。7回、偶然のバッティングでケガイは左目じりをカット。ドクターチェックの後、エスピノサは連打から右ストレートをヒット。ケガイは守勢に回る。
8回、左目が腫れあがったケガイにエスピノサはストレート連打で迫り、右アッパー。ケガイは苦しくなる。インターバル中に再びドクターチェックが入った。9回、エスピノサは、ジャブ、ワン・ツーを決め、右アッパー3連打。10回、エスピノサはストレート連打から右アッパー、左右ボディ。ケガイは右オーバーハンドに望みを掛けるが浅い。
11回、挑戦者陣営はケガイをコーナーから出さず、レフェリーはテンカウントを数え試合終了。エスピノサは王座獲得から過去3度の防衛戦を米国で戦って来たが、4度目にして初のメキシコ凱旋試合となった防衛戦に勝利。しかし、今後への課題も残した。

セミファイナルには、元WBA&IBF世界スーパーウェルター級王者フェルナンド・バルガスを父に持つ、スーパーライト級エミリアーノ・バルガス(米)=15戦全勝(13KO)=が登場。WBOラテン・スーパーライト級王座決定10回戦で、ジョナサン・モントレル(米)=19勝(13KO)3敗=と対戦。
初の10回戦となる21歳のバルガスは、落ち着いた動きでモントレルに対峙。ガードを高く上げるモントレルに右ボディストレート、速い左ボディをヒット。終盤にはボディブローでダウンを奪った。2回以降もバルガスは左ボディを軸に攻勢に出るが、モントレルはよく耐え、時折打って出る。
これまでのキャリア最長となる6回、バルガスは猛攻を仕掛けるがモントレルは倒れない。8回、モントレルは逆転を狙い打って出る。しかし、バルガスは強い左ボディで跳ね返す。9回、モントレルは頭を前に倒し前進。懸命に手を出すが、バルガスは右ストレート、左フックをヒット。
最終ラウンド。バルガスは再三左フックをクリーンヒットするが、モントレルは最後まで耐え抜き試合終了ゴング。公式スコアは100-89、99-90、99-90。判定は文句なしにバルガスだが、35歳のモントレルの粘りは見事だった。

IBF世界スーパーライト級挑戦者決定戦。同級3位(1、2位は空位)リンドルフォ・デルガド(メキシコ)=23戦全勝(16KO)=と、同級4位ガブリエル・バレンズエラ(メキシコ)=31勝(17KO)4敗1分=の一戦は、デルガドが判定勝ち。
デルガドは前日計量で最初リミットの140ポンドを0.8ポンドオーバー。2時間後の2度目で139.2ポンドでクリア。IBFルールによる当日計量でも1回目150.6ポンドを記録し、1時間後に149.4ポンドでクリア。試合への影響が心配された。
立ち上がり、長いリーチを持つバレンズエラは、ジャブから右ストレートを伸ばし左フック。スピードある動きで好調を伺わせる。ワン・ツーも速く、デルガドは容易に近づけない。しかし、3回に入るとデルガドのジャブが当たりだし、右ストレート、左フックへ繋げた。
4回以降、左リードを増やしたデルガドはボディを打ち、右ストレート、アッパーを打ち込む。バレンズエラは右カウンターを狙う。8回、先手で攻めるデルガドに対し、バレンズエラも左右ストレートを返し、好打の応酬となり会場は大いに沸いた。

終盤に入っても激しい競り合いが繰り広げられたが、最終ラウンド開始間もなく、バレンズエラの左フックがカウンターで決まりデルガドはダウン。しかし、立ち上がったデルガドは反撃に転じ、バレンズエラも譲らず打ち合い試合終了ゴング。両選手共に手を挙げたが、公式スコアは114-113、114-113デルガドと、114-113バレンズエラのスプリット。
NABF、NABOヘビー級タイトル10回戦。東京五輪スーパーヘビー級銀メダリストで、王者のIBF世界ヘビー級4位、WBC、WBO11位リチャード・トーレスJr(米)=13戦全勝(11KO)=に、挑戦者トマス・サレク(チェコ)=23勝(14KO)7敗=が挑んだ一戦は、トーレスJrが初回2分45秒TKO勝ち。
サウスポーのトーレスJrは試合開始からサレクに肉薄。左ストレートから得意の右フックでサレクに迫った。体格で勝るサレクはガードを固め足を使いサークリング。トレースJrが構わず連打で迫ると、サレクは鼻から激しく出血。ドクターチェックを受けると、すぐに試合は停止された。
