9月27日(日本時間28日)、リトアニア・カウナスのジャルギリス・アリーナで開催された、元WBA世界ウェルター級王者エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)=15勝(9KO)1敗1NC=の再起戦。前IBFアフリカ同級王者ジャブラーニ・マケンセ(南アフリカ)=16勝(8KO)2敗=とグローブを交えた150ポンド契約10回戦は、スタニオニスが判定勝ち。
現在、WBA世界同級2位、WBC8位にランクされるスタニオニスは、4月12日(日本時間13日)に米・ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで、IBF世界同級王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=34勝(30KO)無敗1NC=との王座統一戦で6回終了TKO負けを喫し、世界王座から陥落して以来の再起戦。
初回開始からプレスを掛けるスタニオニスはジャブからワン・ツー、左ボディでマケンセを攻め立てる。2回にも激しくマケンセに迫ったスタニオニスは完全にペースを掌握。満員の地元観衆の期待に応えるべく、持ち前の無類のスタミナと連打でマケンセに迫り、7回にはダウン寸前まで追い込んだが、マケンセは最後まで踏ん張り試合終了ゴング。スタニオニスの一方的な勝利だった。スコアは100-90、99-91、99-91。

カウナスで生まれ育った31歳のスタニオニスは、「K-1ルールで戦い、武士道やSWATのトーナメントにも出た。そこでいろいろな経験をして、13歳でボクシングに転向したんだ」という経歴を持ち、「僕の夢はリトアニアで戦う事」だと、かねてから語っていた。
これまで、プロボクシングデビュー以来、キャリア全ての試合は米国で行われて来たスタニオニスの夢が、ついに実現した興行は、『史上最高のリトアニア人ボクサーのひとり、エイマンタス・スタニオニスが、生涯の夢を叶える!』と大きく宣伝され、約1万6千人の収容能力がある会場のジャルギリス・アリーナは、故郷の英雄を一目見ようと満員の観衆で埋まった。
リトアニアが生んだ最高のボクサーとの称号を与えられるスタニオニスは、凱旋ファイトに勝利したリング上で、家族、妻、ファンに感謝の言葉を述べ、「夢が叶った」と喜びを顕にした。今後は世界王座返り咲きを目指す。