8月30日、タイ・バンコクのスアンルム・ナイトバザールで開催されたナコンルアン・ボクシング・プロモーション興行に、37歳の元WBC世界スーパーフライ級王者で、WBC世界同級5位、IBF12位にランクされるシーサケット・ソールンビサイ(タイ)=56勝(46KO)6敗1分=が登場。
アマ戦績13勝8敗、2021年セルビア・ベルグラードで開催された、AIBA世界選手権ミニマム級で銀メダルを獲得しているウッティチャイ・ユラチャイ(タイ)=1勝1敗=と、バンタム級6回戦で対戦したシーサケットは、第2ラウンドに2度のダウンを奪ったがKOならず、判定勝ちを収めた。スコアは59-54×3。
シーサケットは2022年6月25日(日本時間26日)に米・テキサス州サンアントニオのテック・ポート・アリーナで、ジェシー・ロドリゲス(米)=20戦全勝(13KO)=の保持するWBC世界スーパーフライ級王座に挑み8回TKO負け。これは約1年3か月ぶりのリングだった。以来、格下相手のイージーファイトが続き、昨年は5勝、今年はこれで2勝目。
ロドリゲス戦でも衰えを感じさせたシーサケットだが、元世界王者であり、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)=52勝(42KO)4敗=、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)=44勝(28KO)4敗=に勝利している実績もあり、DAZN放映ファイトで世界戦をプロモートしたエディ・ハーンは、IBF世界フライ級7位、WBC、WBO9位、WBA10位ガラル・ヤファイ(英)=7戦全勝(5KO)=の対戦相手候補に名前を挙げた時期もあった。
シーサケットに勝ち感激の涙を見せたロドリゲスは、その後たくましく成長。前王者エストラーダとの再戦条項を消化した後、ハーンは”バム”(ロドリゲス)をサウジアラビアに連れて行くと、「リヤド・シーズン」本拠地でのビッグファイト開催を示唆している。
シーサケットは2009年3月、咬ませとして呼ばれた日本のリングで八重樫 東 (大橋)選手に3回TKO負け。2連敗を含み日本のリングでは3戦全敗。デビュー1年で1勝(1KO)3敗1分という先の見ないスタートから連勝街道を驀進。2013年5月にはタイ・シーサケットで佐藤洋太(協栄)選手を8回TKOに破り世界王座を獲得。以後、アメリカでも名を知られる選手になった。
これだけ息の長い選手でいられるのは、努力の賜物だろう。今年12月には38歳となるシーサケットが、もう一度世界の舞台に立つ日は来るのだろうか。元のローカル・ファイターに戻り、リングを去っていくのもシーサケットらしいが。