9月13日(日本時間14日)、英・ベルファストのウィンザー・パークで開催されたマッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。IBF世界ウェルター級王座決定戦。同級1位ルイス・クロッカー(英)=21戦全勝(11KO)=と、同級3位(2位は空位)パディ・ドノバン(アイルランド)=14勝(11KO)1敗=の再戦は、クロッカーが判定勝ち。

ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=34勝(30KO)無敗1NC=の王座返上により、世界王座決定戦として行われた試合は、両者慎重な立ち上がりからドノバンがプレスを掛けジワリと距離を詰め、ジャブ、左ストレートを伸ばす。右ガードを高く上げたクロッカーは、左手を動かしドノバンをけん制。右ストレートをボディに狙うが手数は少ない。

しかし第3ラウンド、ドノバンの出ばなにクロッカーの左フックが決まると、ドノバンは両グローブをキャンバスへタッチ。8カウントを聞いた。4回、ドノバンの左ストレートがヒットするが、クロッカーも左フックをタイミングよく決める。5回、ドノバンはジャブを増やし、不用意には飛び込まず左ストレート、右フックでラウンドを支配したが、終了間際クロッカーの左フックがまたもやカウンターで決まり、ドノバンは再びダウン。

6回、7回と慎重になったドノバンの左ストレートは浅くなり、クロッカーは左フック、右ストレートを狙う。8回、共に間合いを計り手を出す機会を伺うが、手数は少ない。9回、ジャブから左ストレートを伸ばすドノバン。待機戦法、カウンター狙いのクロッカーが自ら仕掛けず手数が少ない。

Lewis Crocker vs. Paddy Donovan

10回、ドノバンはジャブでクロッカーを追い、左ストレートを伸ばす。クロッカーに右ストレートがあったが、手数は少ない。11回、クロッカーの右ストレート、左フックは届かず、ドノバンのジャブ、左ストレートがリード。最終ラウンド、ドノバンはジャブを出し、左ストレート。クロッカーは右ストレート、左フックと振るが届かず、ドノバンがアグレッシブと手数で上回った印象で試合終了ゴング。

両選手共に勝利ポーズを取ったが、公式スコアはパヴェウ・カルディニ(ポーランド)114-112、マッテオ・モンテーラ(イタリア)114-113でクロッカーと、リース・カーター(英)115-111ドノバンのスプリット。クロッカーはドノバンをよく研究し、2度のダウンを奪った左フックのカウンターは見事だったが、自ら仕掛けず手数も少なく、ドノバンの勝利を推す声が多数あがっている。

両者は3月1日(日本時間2日)に英・ベルファストのSEE・アリーナで、挑戦者決定戦として対戦。サウスポーのドノバンはクロッカーの両目上をパンチで切り裂き、第8ラウンド終盤にはダウンを奪うと、一気にクロッカーに迫り連打から右フックを打ち込み再びダウンを奪ったが、これは終了ゴング直後で、そのまま反則負け。ポイントで大きくリードしていたドノバンは悔し涙に暮れたが、今度も不運な判定に泣かされた。

Lewis Crocker

セミファイナル。WBAコンチネンタル・スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦。王者でWBA6位、IBF13位にランクされるカオイミン・アジャルコ(アイルランド)=17戦全勝(17KO)=に、挑戦者イシュマエル・デイヴィス(英)=13勝(6KO)2敗=が挑んだ一戦は、アジャルコが判定勝ち。

大激戦となった試合はサウスポーへのスイッチを織り交ぜならデイヴィスが前進し、ショートレンジからの連打でアジャルコに迫った。アジャルコは右目上を腫らしながらも、足を使いジャブ、左フック、右ストレートを打ち返す。接戦で迎えた最終ラウンド、アジャルコが足を滑らせしりもちを付くその刹那、デイヴィスの右が伸びており、マイケル・アレクサンダー(米)主審はダウンを宣告。

アジャルコは驚愕の表情で8カウントを聞いたが、終了間際には左フックを打ち込んで試合終了ゴング。最後のダウンが決め手となったかとも思われたが、公式スコアは114-113、114-113アジャルコと、112-115デイヴィスのスプリット。辛くもアジャルコが勝利したが、3連敗となったディヴィスには同情の声も多く、再戦を希望する声があがっている。