昨年10月12日に愛知県国際展示場で、シベナティ・ノンティンガ(南ア)=13勝(10KO)2敗=を9回1分50秒TKOで破り、世界王座返り咲きを果たした矢吹正道(LUSH緑)=17勝(16KO)4敗=選手と、WBA世界同級の新王者エリック・ロサ(ドミニカ)=8戦全勝(2KO)=による王座統一戦が、今春の対戦を目指し交渉が進展中。

矢吹選手は2021年9月22日に京都市体育館で、寺地拳四朗(BMB)=24勝(15KO)1敗=選手が保持していたWBC世界ライトフライ級王座に挑み、10回2分59秒TKO勝ちで王座獲得に成功したが、2022年3月19日に京都市体育館で行われたダイレクトリマッチで、3回1分11秒KO敗けを喫し、初防衛に失敗、王座から陥落。

再起後の2023年5月には、スパーリング中に左アキレス腱断裂の大ケガに見舞われたが、それを乗り越え世界王座返り咲きのチャンスを掴んだ矢吹選手は、ノンティンガを圧倒し王座返り咲きを果たしたリング上で、WBO世界フライ級王者アンソニー・オラスクアガ(米)=8勝(6KO)1敗=との対戦を希望。階級を上げる事をほのめかしていた。

試合翌日の記者会見でも、「ひとつ言えることはライトフライ級ではやらない」と明言。自らが世界王座復帰を果たした翌日に、WBO世界ライトフライ級王座を獲得した岩田翔吉(帝拳)=13勝(9KO)1敗=選手からの対戦希望に対しても、過去に日本同級タイトル戦を断られたこともあり、「全く興味も関心もない」とし、岩田選手との対戦には今を持って興味を示していない。

その後、フライ級でのマッチメイクが進展せず、矢吹選手はライトフライ級王座を保持して行くことを決断。今春に防衛戦が計画されていた。

一方のロサは、WBA世界ミニマム級レギュラー王座を返上し、昨年12月19日(日本時間20日)にドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴで行われた、WBA世界ライトフライ級王座決定戦で、ネイダー・バルデス(メキシコ)=14勝(11KO)2敗2分=を12回判定で破り、2階級制覇達成に成功。

24歳の技巧派サウスポー、ロサを擁するシュアン・ボクシング・プロモーションンは、大した実績を持たないバルデスをランキング上位に押し上げ、王座決定戦を挙行。狙い通りにロサが王座を獲得したが、バルデス戦を見る限りパワー、耐久力共に、このクラスでは不安を残すと見る。

パワーで勝る矢吹選手と、スピードと、テクニックのサウスポー、ロサ。両極端の両者の戦いが実現すれば、面白い試合となりそうです。実現に期待。