IBFは世界スーパーフライ級5位アルジ・コルテス(メキシコ)=27勝(11KO)4敗2分=と、同級6位アンドリュー・モロニー(オーストラリア)=27勝(17KO)4敗1NC=による、同級世界王座への挑戦者決定戦を指令。両陣営は出場の意思をIBFに伝え、既に開催実現へ向けた交渉に入っているが、5月15日(日本時間16日)までに対戦同意に達しない場合は入札となる。
IBF世界同級は昨年12月21日にツインメッセ静岡で、同級3位(1、2位は空位)ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)=22勝(13KO)5敗2分=と、同級4位レネ・カリスト(メキシコ)=23勝(9KO)無敗1分=による王座決定戦が行われたが、12回引き分けで新王者は決まらなかった。
IBFは両者に再戦を指令。2月12日(日本時間13日)に開催された入札で、マニー・パッキャオのMPプロモーションが単独の15万1100ドル(約2280万円)で興行権の落札に成功。報酬の分配は50:50で、両選手がそれぞれ7万5550ドル(約1140万円)を獲得。
試合は5月23日(日本時間24日)にメキシコ・サカテカスで開催される事が決まっている。コルテスとモロニーの勝者は、ガルシアとカリストによる王座決定戦で決まる新王者への指名挑戦者となる。
フェルナンド・ベルトラン率いるサンフェル・プロモーションに所属するコルテスは、デビュー4戦目までに2敗を喫しているが、2022年9月のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)=44勝(28KO)4敗=戦で、ダウンを奪われながらも大いに善戦。小差判定負け(113-114、112-115、112-115)となったが、この試合で名前を上げた。

2023年9月18日には東京・有明アリーナで、中谷潤人(M・T)=30戦全勝(23KO)=選手が保持していた、WBO世界スーパーフライ級王座に挑戦。3度のダウンを奪われながらも、最後まで粘り強く戦い抜き12回判定負け。
中谷選手に敗れた後、昨年1月20日(日本時間21日)にメキシコ・シウダー・フアレスで、2018年11月に来日し船井龍一(ワタナベ)選手と、IBF世界スーパーフライ級王座への挑戦権を賭けて戦い2回TKOで敗れている、元世界ランカーのビクトル・エマニュエル・オリボ(メキシコ)=21勝(9KO)5敗1分=と対戦。
終始先手を取ったコルテスは、終盤のオリボの反撃を振り切り、98-92、98-92、96-94のスコアで勝利。再起に成功。8月には元WBCラテン同級王者のサルバドール・フアレス(メキシコ)=20勝(4KO)9敗2分=を9回TKOで破っている。

元WBA世界同級王者のモロニーは、2023年5月20日(日本時間21日)に、米・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われた、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で中谷選手と対戦。2回、11回にダウンを奪われたモロニーは、最終ラウンド、中谷選手の鮮やかな左カウンターを喰い壮絶なKO負け。
昨年5月12日にオーストラリア・パースのRACアリーナで行われた、WBC世界同級暫定王座決定戦では、ペドロ・ゲバラ(メキシコ)=42勝(22KO)5敗1分=にスプリットの判定負け。この判定に不満のモロニーは、試合後のリング上で引退を表明。
しかし、引退を撤回したモロニーは昨年12月15日にオーストラリア・メルボルンで、ジャクラウット・マジュンゴエン(タイ)=48勝(27KO)7敗2分=を3回KOで破り再起に成功。
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)=52勝(42KO)4敗=との対戦が消滅した、WBO世界同級王者プメレレ・カフ(南アフリカ)=11勝(8KO)無敗3分=の初防衛戦相手として、クローズアップされたが、カフは7月19日(日本時間20日)に米・テキサス州フリスコのフォード・センターで、WBC世界スーパーフライ級王者ジェシー・”バム”・ロドリゲス(米・帝拳)=21戦全勝(14KO)=との対戦が決定。34歳のモロニーはターゲットをIBF王座に変え、世界王座返り咲きへのチャンスを探る事になった。