IBF世界スーパーフェザー級王者アンソニー・カカス(英)=23勝(8KO)1敗=は世界王座を返上し、リング復帰する元WBA世界フェザー級王者リー・ウッド(英)=28勝(17KO)3敗=と対戦する事が濃圧となった。カカスはIBFから指令されていた同級1位エドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)=27勝(27KO)1敗=との指名戦の履行期限が迫る中、ウッドからの対戦オファーを受け入れた。
カカスは昨年9月21日(日本時間22日)に英・ロンドンのウェンブリー・スタジアムで、元IBF世界フェザー級王者ジョシュ・ワーリントン(英)=31勝(8KO)4敗1分=と対戦し、12回判定勝ちを収めたが、IBFはこの試合を世界戦として承認せず、カカスが敗れた場合、王座は空位となる条件で行われた。
その後、IBFはカカスvsヌニェスの入札開催を通告。しかし、カカス擁するクイーンズベリー・プロモーションのフランク・ウォーレンと、ヌニェスと契約するマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンは、昨年11月に両者によるタイトル戦を行う事で合意。IBFは入札の開催を回避していた。
ヌニェスとの対戦が既定路線だったカカスに、ウッドとの対戦話が持ち込まれた事から状況は一変し、カカスは、「ウッドと対戦すれば王座を放棄する事になる。それに見合う代償を支払ってほしい」と、報酬アップを要求。熟慮の末、同じ36歳の人気選手ウッドとの対戦を選択した。
ウッドは2023年10月7日(日本時間8日)に英・シェフィールドのシェフィールド・アリーナで、ワーリントンの挑戦を第7ラウンド、大逆転の3分TKOで撃退した後、暫く休養した後、スーパーフェザー級で戦う事を明言。この試合の1週間後に正式王座を返上した。
ウッドは胸に秘めていた故郷の英・ノッティンガムのサッカー場、シティ・グラウンド(約3万人収容)での復帰戦を希望。この夢を実現させるべくハーンは動き、昨年5月18日(日本時間19日)にワーリントンとの再戦を実現させる構えを見せたが、結局これは実現せず。
その後、ケガに見舞われたウッドは、昨年は一度も戦うことなく時間だけが過ぎ、引退説も流れたが、ようやくリング復帰出来るコンディションが整えられるようになった。
「春に復帰する。今月中に発表できるだろう」(ウッド)
ハーンは、カカスがウッドと対戦する事が確実となった事で、「私はこの状況に非常に失望している」とコメント。ウッドは現在、マッチルーム・ボクシングとの契約が終了し、フリーエージェントとなっているだけに、悔しさもひとしおだろう。
カカスが正式に王座を返上した場合。空位となる王座をヌニェスと争う一番手は、同級3位(2位は空位)の力石政法(大橋)=16勝(11KO)1敗=選手となる。カカスvsウッドの正式発表が待たれます。