9月3日(日本時間4日)に行われたIBFの二つの指名戦入札は、意外な結果に終わった。世界ウェルター級王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=32勝(29KO)無敗1NC=と、同級1位カレン・チュハジアン(ウクライナ)=24勝(13KO)2敗=戦の入札は、エニスをサポートするマッチルーム・ボクシングを抑え、チュハジアン擁するP2MーBOXプロモーションが落札に成功。

入札額はマッチルーム・ボクシングが156万6,666ドル(約2億2790万円)で、P2MーBOXプロモーションは200万53.10ドル(約2億9100万円)だった。ファイトマネーの分配は、エニスが65%の130万34.52ドル(約1億8917000。チュハジアンは35%の70万18.58ドル(約1億180万円)となる。

WBO王者ブライアン・ノーマンJr(米)=26勝(20KO)無敗2NC=との王座統一戦が消滅した後、プロモーターのエディ・ハーンは、スーパーウェルター級への転向を考えている事を示唆していたが、この入札結果を得て、その可能性は高くなったとみられている。

エニスは12月21日(日本時間22日)にサウジアラビア・リヤドで開催される、ウシクvsフィーリー2のアンダーカードで、前WBA王者イスラエル・マドリモフ(ウズベキスタン)=10勝(7KO)1敗1分=と対戦する話もある。そして、エニスがIBF世界ウェルター級王座を返上した場合、チュハジアンと王座を争うのはハーン傘下の3位(2位は空位)コナー・ベン(英)=23戦全勝(14KO)=になるという事もあり、今後の動向が注目される。

また、4位には佐々木 尽 (八王子中屋)=18勝(17KO)1敗1分=選手がおり、日本のファン、関係者も大いに気なるところです。

世界ミドル級戦。WBO王座も保持する王者ジャニベック・アリムカヌウェ(カザフスタン)=15戦全勝(10KO)=と、同級3位(1,2位は空位)アンドレイ・ミハイロヴィチ(ニュージーランド)=21戦全勝(13KO)=戦は、アリムカヌウェと契約するトップランクは、35万ドル(50886500円)を提示。しかし、ミハイロヴィチ陣営のノーリミット・ボクシングが、35万1千ドル(51031890円)で落札に成功。僅か千ドルの差だった。

アリムカヌウェは7月13日(日本時間14日)に米・ラスベガスのパームズ・カジノ・リゾートで開催される、トップランク興行のメインイベントでミハイロヴィチと対戦が決まっていたが、減量中に失神し、重度の脱水症状で入院する事態となり試合はキャンセルされていた。

IBF世界ミドル級戦の興行権を獲得したノーリミット・ボクシングは、10月19日(日本時間20日)に米・フロリダ州オーランドのカリブ・ロワイヤルで開催が決まった、バカラン・ムルタザリエフvsティム・チューのIBF世界スーパーウェルター級戦をメインとする、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ興行に、アリムカヌウェvsミハイロヴィチを組み入れる意向を明らかにしている。

入札の結果を聞き、「言葉がない!」と絶句したアリムカヌウェは、WBO王座も保持しており、どう動くかが注目されている。