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12月6日(日本時間7日)、米・テキサス州サンアントニオのフロスト・バンク・センターで開催された、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ興行のメインイベント。WBC世界スーパーライト級暫定王者イサック・”ピットブル”・クルス(メキシコ)=28勝(18KO)3敗1分=に、WBA世界スーパーフェザー級王者ラモント・ローチ(米)=25勝(10KO)1敗2分=が挑んだタイトル戦は、12回引き分け。

初回、クルスはいつものように前傾姿勢で距離を詰め、右オーバーハンドを強振し左ボディ。足で交わすローチは被弾しながらも左フックをカウンターでヒット。2回、クルスはジャブ、右ストレートで前進。クルスの左フックにローチも左フックを合わせるが、クルスはお構いなく左右の強打を上下に打ち込み攻勢。

3回、ローチは足を使いリングを大きく使いクルスの攻撃を遮る。しかし、クルスの左フックがカウンターで決まると大きく後方へ後退しグローブをキャンバスへタッチ。8カウントを聞いた。4回、クルスは接近しローチのボディを叩き、距離が出来ると右ストレートを叩き込む。ローチはL字ガードからカウンターを返した。

5回、ローチの固いブロックを突き抜けクルスの右アッパーがヒット。思い切りパンチを打ち込むクルスにローチはインサイドからのカウンターで対抗。6回、前に出るクルスは右ストレートから左フックを強振。ローチは左フックをカウンターでヒット。

Lamont Roach vs. Isaac Cruz
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7回、ボディを狙うクルスにローチの左フックが決まる。クルスが攻めあぐねるようになった印象で、揉み合いからクリンチが増える。クルスは背面への攻撃で減点1。8回、クルスはローチの左フックを警戒し距離を取りジャブを使う。ローチもジャブを放ち、互いの左フックが交錯。

9回、クルスが足を使い動き距離を取り、ジャブから左フックを上下に飛ばし右ストレート。しかし、命中率は今一つで攻めあぐねている。ローチは自ら仕掛けず左フックをカウンター。10回、両者距離を取り見合う時間が増える。クルスはなかなか飛び込めず、ローチは左フックを振るが数は少ない。

11回、試合はジャブを突き合い、僅かなヒットを奪い合うクロスゲームとなった。しかし、終了間際、クルスの右ストレート、左フックがクリーンヒット。最終ラウンド、クルスは前進。ローチは足を使い動くが、クルスの鋭い左フックがヒット。ローチも左フックを返し、両者打ち合って試合終了ゴング。

Isaac Cruz vs. Lamont Roach
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両選手共に勝利をアピールしたが、勝者は決まらなかった。公式スコアは115-111クルスと、113-113、113-113。判定を聞いたローチは「もっと公正な採点をしてほしい」と不満をぶちまけ、引き分けながら防衛に成功したクルスは、「レフェリーは向こうのみかたをした」と主張したが、終始、落ち着いた表情を崩さなかった。

敗者とはならなかったが、ローチはこの試合のリングに上がった事でWBAから世界スーパーフェザー級王座を剥奪されており、世界のベルトが無くなった事は地味な選手だけに、今後、厳しく影響してきそう。

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