7月19日(日本時間20日)、米・ラスベガスのMGMグランドで開催された、パッキャオvsバリオスをメインとするプレミア・ボクシング・チャンピオンズ興行で行われた、WBC世界スーパーライト級暫定王座決定10回戦。元WBA世界スーパーライト級王者で、WBC世界同級3位にランクされるイサック・”ピットブル”・クルス(メキシコ)=27勝(18KO)3敗1分=と、元世界ランカー、オマール・サルシド(メキシコ)=20勝(14KO)2敗=の一戦は、クルスが判定勝ち。

初回、身長163センチのクルスは低い姿勢でサルシドに肉薄。鋭い左フック、右オーバーハンドを振り、右ボディ、右フックをヒット。2回、クルスの圧力の前に下がるサルシドだが、初回よりは動きがほぐれ、打ち返すタイミングを探す。

3回、クルスはプレスを掛け前進。サルシドは右アッパーを狙うが空を切り、クルスの右ストレートがヒット。4回、サルシドはを使いアウトボクシング。追うクルスはボディ攻撃から右オーバーハンドを放ち、右ストレートをヒット。

5回、足を使うサルシドを追うクルスは、なかなか追い切れないが、手数、攻勢点で優勢。6回、サルシドは相変わらず動く、追うクルスは右フックをヒットするが無理はせず、深追いはしない。

7回、クルスが前進するとサルシドは下がり、クルスのパンチも単発で打ってはクリンチが増える。8回、サルシドの動きが落ちる。クルスは左右フックで飛び込み連打。クリンチに出るサルシドはレフェリーの注意を受けた。クルスは左フック、右ストレートをヒット。

Isaac_Cruz vs. Omar_ Salcido

9回、追うクルス、逃げるサルシド。追い切れないクルスの構図は変わらない。最終ラウンド、クルスが左フック、右ストレートと打って出る。サルシドは相変わらず動き、接近するとクリンチ。ラスト1分を切りクルスは猛攻。ここでまたもやサルシドがクルスの腕を絡めると、マーク・ネルソン(米)主審は減点を宣言。

再開後、クルスは勢いよくサルシドに襲い掛かり左フック、右ストレートをヒット。体を寄せあった後、前にのめり込むように倒れたサルシドに、ネルソン主審はダウンを宣告。残り時間、クルスはKOを狙って出たが、終了ゴング。公式スコアは100-88、99-89、99-89。

この暫定王座決定戦はクルスと対戦予定だった、同級7位アンヘル・フィエロ(メキシコ)=23勝(18KO)3敗2分=が、前日計量の数時間前に減量による健康上の問題により出場を辞退。代わってアンダーカードに出場が決っていたサルシドが、クルスとの対戦を承諾して行われた。

WBC世界同級は7月12日(日本時間13日)に米・ニューヨーク、クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われたタイトル戦で、元IBF王者のスプリエル・マティアス(プエルトリコ)=23勝(22KO)2敗=が、アルベルト・プエジョ(ドミニカ)=24勝(10KO)1敗=を、115-113、115-113、114-114の判定で破り正規王座を獲得。

しかし、プエジョの勝利を推す声も多く、プエジョ陣営は再戦条項を行使してのリマッチを承認する事を、WBCのマウリシオ・スライマン会長に求めている。