7月13日(日本時間14日)、米・ペンシルべニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・アリーナで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。IBF世界ウェルター級タイトルマッチ。王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=31勝(28KO)無敗1NC=に、元WBA世界同級王者で同級13位のデヴィッド・アヴァネシャン(ロシア)=30勝(18KO)4敗1分=が挑んだ一戦は、エニスが5回終了TKO勝ち。

初回、速い左ジャブでスタートしたエニスは、すぐにサウスポーにスイッチ。右フックでボディを狙い、左フックをヒット。アヴァネシャンも時折サウスポーにスイッチし、ガードを固めながら反撃の機会を伺う。しかし、右アッパーがローブローとなり試合はしばし中断。

2回、エニスは押し込んでボディ攻撃から左アッパー、右フック。アヴァネシャンも接近戦に応じ右を返した。3回、接近戦となりエニスがボディ攻撃で押し込み右アッパー、フックを決める。しかし、アヴァネシャンも右を返し下がらない。4回、アヴァネシャンのブロックを突き破り、エニスの強打が上下に決まる。

5回、接近戦でエニスの強打を貰いながらもアヴァネシャンは前進。しかし、徐々にダメージが蓄積されつつある。残り1分、エニスの左ボディアッパーから左ストレートが決まると、アヴァネシャンはダウン。立ち上がり終了ゴングまで凌いだが、ラウンド終了後、エリック・ダリ(米)主審はアヴァネシャンのコーナーに歩み寄ると、ドクターの意見も聞き入れ試合をストップ。エニスが地元ファンの前で、破壊力を見せつ快勝した。

WBC女子世界フェザー級タイトルマッチ。王者スカイ・ニコルソン(オーストラリア)=10戦全勝(1KO)=に、挑戦者ディアナ・バルガス(ドミニカ)=19勝(12KO)1敗=が挑んだ一戦は、ニコルソンが判定勝ち。スコアは100-90×3。

立ち上がり、サウスポーの技巧派王者ニコルソンに対し、高いKO率を誇るバルガスは低い姿勢から右ボディで飛び込もうとするが、ニコルソンは足を使いジャブを放ち、左ストレートを伸ばし接近を許さない。3回、上体を振り何とか接近しようとするバルガスだが、ニコルソンはジャブを当て、左ストレートをカウンターでヒット。

5回はニコルソンの左フックでバルガスがよろめいた。6回、7回とニコルソンは足を使いながらジャブ、左ストレートを決め完全にペースを握る。8回、逆転を狙うバルガスは右ストレートで前進し、左右フックを振るうが、ニコルソンはジャブと右フックでうまく回り込む。

9回、バルガスは突進しニコルソンに迫るが、ニコルソンのジャブ、右フックの前に強打は空転するばかり。最終ラウンド、闘志十分のバルガスは元気よく出るが、ニコルソンの足は止まらず、ジャブ、左ストレートを的確に決め、最後まで距離を支配。完勝で初防衛に成功した。

ウェルター級10回戦。2月3日(日本時間4日)に米・ラスベガスで、WBC世界ウェルター級2位、WBA3位、WBO7位コナー・ベン(英)=23戦全勝(14KO)=に12回判定負けを喫した、ピーター・ドブソン(米)=16勝(9KO)1敗=と、初の10回戦となる、デビュー3年目、21歳の新鋭ジャリル・マジョール・ハケット(米・アマ15勝3敗)=8戦全勝(7KO)=による、WBA北米大陸王座決定戦は、ハケットが判定勝ち。

初回からシャープなパンチでドブソンに迫ったハケットは、4回、左フックから右を決めドブソンの動きを止める。ダウン寸前のピンチだったが、タフなドブソンは倒れない。6回、7回とハケットはジャブを中心に、右ストレート、左フックでドブソンに迫るが、被弾しながらもドブソンは右を返し抵抗。

9回、ドブソンはハケットのジャブに右クロスを合わせ逆転を狙う。最終ラウンド、ハケットはジャブからコンパクトな連打でドブソンに迫るが、ドブソンも迎え撃ち、両者打ち合い終了ゴング。スコアは97-93、97-93、96-94の3-0。ハケットがステップアップの白星をあげた。