東京五輪フェザー級金メダリストのWBAスーパーフェザー級暫定王者アルベルト・バティルガジエフ(ロシア)=12戦全勝(8KO)=は、同級5位ジェームス・”ジャザ”・ディケンズ(英)=35勝(14KO)5敗=を挑戦者に迎え、7月2日(日本時間3日)にトルコ・イスタンブールのリクソス・テルサネ・イスタンブールで2度目の防衛戦に臨む。

キルギスタン出身で英国籍を持つプロモーター、アル・シエスタのIB チャレンジャー スポーツ&マーケティングにより主催される、「IBA(国際ボクシング協会).Pro 7 Champions’ Night in Istanbul」では、グローブなしのベア・ナックル・ファイトも同時開催される。

ベア・ナックル・ファイティング・チャンピオンシップ(BKFC)に所属で、豊富な格闘技経験を持ち、国際大会にも出場しているムラト・カズガン(トルコ)と、団体を問わず総合格闘技のリングで戦うウィル・チョープ(米)が、グローブなしで拳をぶつけ合う。

共同メインには東京五輪ライト級銅メダリストの、ハバネス・バッチコフ(アルメニア)=7戦全勝(6KO)=が出場。IBAプロルール63.5キロ級で、元世界ランカーのショジャホン・エルガシェフ(ウズベキスタン)=25勝(22KO)2敗=と対戦。キャリアのステップアップを狙う。

バティルガジエフがロシア国外で戦うのは初めてだが、3月7日(日本時間8日)にロシア・モスクワで行われた初防衛戦で、ネリ・ロメロ(アルゼンチン)=18勝(10KO)1敗=を12回判定で破った試合で、空位だったIBA王座も獲得していた。

日本では考えられないプロボクシングと、他格闘技の同一開催だが、日本でも一度だけプロボクシングの世界タイトルマッチと、キックボクシングの試合が同一プログラムで行なわれた事がある。

Noguchi_25th anniversary

1976年1月12日、東京・後楽園ホール。メインカードではハワイをホームリングとするWBA世界スーパーフェザー級王者ベン・ビラフロア(フィリピン)に、同級8位柏葉守人(野口)選手が挑戦。右目網膜剥離を患い、手術後初のリングであったにもかかわらずビラフロアは強く、”和製クレイ”・柏葉選手の挑戦は13回TKOで一蹴された。

セミファイナルには、キックの東洋ライト級チャンピオン沢村 忠 (目黒)選手が出場。”キックの鬼”・沢村選手は強く、224回目のKO勝利を飾っている。この興行は野口ジム創立25周年行事として行なわれたもので、”特例”としてJBCに認められ実現した。

タイでは国技ムエタイと国際式(プロボクシング)の試合が同一興行で行われるのは、昔からの習わしだが、それ以外の国ではあまり聞いた事がない。

1920年に創設されたIBAはアマチュアボクシングの統括団体として出発しが、その歴史は紆余曲折。オリンピック資格を取り消され、そして分裂。プロ管理。今年3月には日本ボクシング連盟が脱退を決めている。現在の会長はロシアのウマル・クレムレフ氏。新しい方向性を模索しているのだろうが、果たして今後は?。