6月14日(日本時間15日)にアルゼンチン・ブエノスアイレスのカジノ・ブエノスアイレスで開催される、WBA・“KO to Drugs”・フェスティバルで行われる、WBA世界バンタム級5位ノニト・ドネア(フィリピン)=42勝(28KO)8敗=と、5月31日(日本時間6月1日)発表のWBAランキングで同級8位にランクされたアンドレス・カンポス(チリ)=17勝(6KO)2敗1分=の12回戦は、WBA世界同級暫定王座決定戦として行われる事が明かになった。

42歳の元世界5階級制覇王者(暫定含)ドネアは、2023年7月29日(日本時間30日)に米・ラスベガスのT・モバイル・アリーナで行われた、WBC世界バンタム級王座決定戦で、アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ)=28勝(14KO)5敗5分=に、12回判定負けを喫して以来戦っていないにもかかわらず、4月30日(日本時間5月1日)に発表されたWBAランキングで、いきなり5位に登場。

アルゼンチンでのリング復帰が既定路線とされるリング復帰で、同時期に15位に新ランクされたルチアーノ・フランシスコ・バルドー(アルゼンチン)=21勝(1KO)4敗=との対戦が有力と見られていたが、バルドーはケガで対戦を辞退。

アルゼンチンを中心に中南米で声を掛けられたドネアの対戦相手として、最後に引っかかったのがカンポスだったが、いきなりWBA世界バンタム級8位にランクされ、暫定王座決定戦として承認された。

世界戦2連敗のドネアは約1年11ヶ月の間、リングにがっていないが、カンポスも2023年6月10日(日本時間11日)に英・ロンドンで、サニー・エドワーズ(英)=21勝(4KO)2敗=が保持していた、IBF世界フライ級戦王座に挑戦し12回判定(111-117×3)負けで初黒星。

昨年10月のメキシコ・カンクン遠征では、。WBO世界スーパーフライ級6位、WBC世界フライ級6位、IBF9位のホセリート・ベラスケス(メキシコ・下写真右)=21勝(13KO)1敗1分=に6回TKO負け。

今年4月に地元リングで、ジムソン・ガルシア(ベネズエラ)=12勝(7KO)8敗1分=を3回TKOで破り再起を果たしているが、世界ランキングに入る理由は、ドネアと戦う以外にはない。なんだかロッキーのようである。

ドネアvsカンポス。何にもしてない同士でWBA世界バンタム級の暫定王座が争われる。世界王座を目指して、真っ正直に進む者はいるのかもしれないが、このようなケースは世界王座の権威を昔から知る者には、信じがたく許せない行為となる。

これは私だけではなく、世界のファン、関係者からも、ドネアvsカンポスが暫定であっても世界戦として行われるのは、クレージーだという声が少なくない。ともかく恐れていた事が現実となった。