IBF世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=18勝(12KO)3敗=への指名挑戦権を賭けた挑戦者決定戦。同級3位アンディ・クルス(キューバ)=5戦全勝(2KO)=と、同級6位三代大訓(横浜光)=17勝(6KO)1敗1分=選手の一戦は、6月14日(日本時間15日)に米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催される、DAZN放映のマッチルーム・ボクシング&ディベラ・エンターテインメント興行へ組み込まれる。
同日のメインは、IBF世界スーパーライト級王者リチャードソン・ヒッチンズ(米)=19戦全勝(7KO)=に、元WBO、IBF世界ライト級&WBAスーパー王者で、IBF世界同級3位にランクされるジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)=22勝(10KO)3敗=が挑むタイトル戦となる。
29歳のクルスは、2021年8月に行われた東京オリンピックのライト級決勝戦で、現WBO世界ライト級王者キーショーン・デービス(米)=13勝(9KO)無敗1NC=に、4-1の判定で勝利し金メダルを獲得する等、アマチュアで輝かしい記録を残し、エディ・ハーンのマッチルーム・ボクシングと契約。2023年7月にプロ転向。
米・フロリダ州マイアミに住むクルスは、プロデビュー以来ここまで、ほとんど相手に打たせず、安定したボクシングで勝ち続け、いよいよ世界王座に最接近。
一方の三代選手は、OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級、日本ライト級タイトルを獲得し、日本のトップとしての地位を築いた。そして今年3月に「次のステップ」に向かうため、保持していた日本タイトルを返上。「2025年は勝負の年にしたい」と、世界王座への道を模索していた。
試合の予想は、確かなディフェンス技術と素早いコンビネーションをベースにしたテクニカルで正確なスタイルを持つ、アマキャリア豊富のクルスが断然有利と見られているが、困難と見られる世界への道を三代選手が、どう切り開くのか。勝負を賭ける陣営の手腕に期待。
IBF世界同級は王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=18勝(12KO)3敗=が、昨年5月12日にオーストラリア・パースのRACアリーナで行われた王座決定戦で、ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)=22勝(10KO)3敗=を11回2分49秒TKOで破り王者となったが、「家族との時間をもっと過ごす為」に2024年の活動休止を宣言して以来リングから遠ざかり、具体的復帰プランは伝えられていない。
IBFはロマチェンコのキャリア継続の動向が不透明な事から、5月10日(日本時間11日)には、米・カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナで、同級2位(1位は空位)にランクされるザウル・アブドゥラエフ(ロシア)=20勝(12KO)1敗=と、同級4位のレイモンド・ムラタラ(米)=22戦全勝(17KO)=による暫定王座決定戦の開催を承認している。