昨年から実現が噂されていた、2階級制覇のWBC世界フライ級王者寺地拳四朗(BMB)=24勝(15KO)1敗=選手と、WBA世界同級王者ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)=21勝(11KO)2敗1分=選手による、世界王座統一戦が3月中旬開催で、発表はいよいよ秒読み。
寺地選手は2日に練習拠点としている三迫ジムで今年初のジムワークを行ったが、6ラウンドのスパーリングで若手選手を圧倒する等、年明け早々とは思えないハードワーク。昨年末も30日までジムでのトレーニングを続けており、次の試合に向けた準備は万全。
初練習を終えた寺地選手は今年の目標に付いて聞かれ、「4団体統一したいし、それか世界3階級制覇」と語り、寺地選手からの王座統一戦申し入れに対し、「断る理由はない」と受けて立つ構えを見せていた阿久井選手が、グローブを交える事は濃圧と見られている。
両選手は過去にスパーリングで20ラウンド以上拳を交えており、寺地選手は阿久井選手に付いて、「固いガードをどう崩すか」と勝利をイメージ。対する阿久井選手は、「めっちゃ強い。ボコボコにされた」と振り返っていた。
ライトフライ級王座を返上しフライ級に転じた寺地選手は、昨年10月13日に東京・有明アリーナで行われたWBC世界フライ級王座決定戦で、”チーム・カネロ”の元王者クリストファー・ロサレス(ニカラグア)=37勝(22KO)7敗=を圧倒。鼻骨を骨折させ11回開始早々ストップ勝ちで、2階級制覇に成功している。
阿久井選手は昨年1月23日に大阪・エディオンアリーナ大阪で、無敗のテクニシャン、アルテム・ダラキアン(ウクライナ)=22勝(15KO)1敗=の保持していたWBA世界フライ級王座に挑戦し、終始アグレッシブにダラキアンを追い詰め、判定勝ちで王座奪取。その後、2度の防衛に成功している。
ネームバリュー、過去の実績では断然上回る寺地選手は、減量苦から解放された事がロサレス戦では好結果と出たが、今度がまだフライ級転向2戦目。阿久井選手をスーパーリングで圧倒しても、試合での体力面、打ち気にはやった場合の耐久力等、いくばくかの不安も残されている。
試合は阿久井選手が豊富なスタミナを武器に、動く寺地選手を追う展開となろうが、単調なボクシングになると、スピードに勝る寺地選手のカウンターの標的となり苦戦は必至。相打ち覚悟から乱打戦に持ち込み、体力で押し込む展開に持ち込めば、そのしつこいアタックが実を結ぶことになるだろう。正式発表が待たれます。