6月13日(日本時間14日)にWBAが指令した、世界スーパーバンタム級スーパー王者井上尚弥(大橋)=27戦全勝(24KO)=選手と、元IBF世界同級&WBAスーパー王者で同級1位にランクされるムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)=11勝(8KO)1敗=の指名戦は、交渉期間30日間。対戦合意に達しない場合、またはどちらかの選手が試合への署名を拒否した場合は、選手権委員会が入札を開催するとし、試合は9月25日(日本時間26日)までに行われなければいけないと通告された。
これに対し、井上選手が所属する大橋ジムの大橋秀行会長は、9月に別の選手を相手に防衛戦を行うことがほぼ内定している事を明かし、井上選手とも4団体王座保持にこだわらないことで意思統一している事を明らかにしたうえで、「WBA王座が剝奪されても仕方ない」と発言。
これに呼応するかのように井上選手と共同プロモート契約を結ぶ、トップランクのボブ・アラムも、9月に井上選手がアフマダリエフと戦う可能性はないとし、WBA王座を返上する可能性を示唆。
大橋会長はアフマダリエフとの対戦期限の先延ばしを要請。WBAから例外として認められれば、アフマダリエフは暫定王座決定戦に出場。その後、井上選手と戦うという事も考えられる。
WBA世界選手権委員会はルールC.10により、2023年12月26日に東京・有明アリーナで、スーパー王座を保持していたマーロン・タパレス(フィリピン)=38勝(20O)4敗=に勝ち王者となった井上選手は、9ヶ月以内に最有力候補を相手にタイトルを防衛しなければならないと規定されているとしているが、それならば5月6日のルイス・ネリ(メキシコ)戦が終わってすぐに、対戦を指令すべきではなかったか。
これまでにおいても、ルール発動に一貫性のないWBAだけに、何が起こっても不思議ではないが。