WBC、IBF世界バンタム級王者”ビッグバン”・中谷潤人(M・T)=31戦全勝(24KO)=選手が、WBA最新ランキングでスーパーバンタム級1位にランクされた事により、保持する世界バンタム級王座の返上は秒読み段階となっているが、WBC王座決定戦には同級1位の那須川天心(帝拳)=7戦全勝(2KO)=選手が出場。同級2位井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=選手と、対戦する可能性が急浮上。交渉は最終段階に入ったと伝えられている。

那須川選手は6月8日に東京・有明コロシアムで、WBA世界同級6位ビクター・サンティリャン(ドミニカ)=14勝(5KO)2敗=に10回判定勝ち。試合後、11月末に予定される次戦で、初の世界タイトルマッチが計画されている事が明かにされていた。

そして、8月発表のWBCランキングで前回2位のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)=45勝(28KO)4敗=が3位に後退。代わって前回7位だった井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=が、一気に2位にランクアップした事で、両者者による王座決定戦が浮上。

Tenshin Nasukawa

IBF世界同級4位にランクされる拓真選手は、早くからIBF王座決定戦で同級3位ホセ・サラス・レイエス(メキシコ)=16戦全勝(10KO)=と対戦する可能性が高いと見られていたが、拓真選手が何にもしていないのにWBC2位になった事で状況が変わった。

「本当にやるのかなァ。そんな無理はしないよ」

「いや、絶対にやった方が面白いし、ボクシング界の為だよ」

ボクシング関係者、ファンの間からも、試合実現へ向け期待の声は高まりましたが、「エストラーダのファイトマネーを抑える為に下げたんじゃないの」とのも声もあり、那須川選手は元スーパーリング・パートナーである同級5位アレハンドロ・ゴンサレス(メキシコ)=19勝(11KO)6敗3分=と、王座を争う事になるとの見方も強かった。

Takuma Inoue

しかし、那須川、井上両陣営は共に「ファンが求めるカードを実現したい」との考えで歩み寄り、試合の実現へ向け舵を切る事になった。

拓真選手がが所属する大橋ジムの大橋秀行会長は、かねてから「ファンが見たいカードを実現するのがプロモーターの務めだし、そういう時代になっている」とのポリシーを持ち行動している事は、井上尚弥vs中谷潤人のスーパーマッチ実現に向け動いている事でも証明済み。

乗り越えなければならない条件交渉はまだ残っているが、ファン待望のマッチアップ。ぜひ、実現してもらいたいものです。