8月16日(日本時間17日)、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われた、WBA世界フェザー級タイトルマッチ。王者ニック・ボール(英)=22勝(13KO)無敗1分=に、同級5位サム・グッドマン(オーストラリア)=20戦全勝(8KO)=が挑んだ一戦は、ボールが判定勝ち。
4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手への挑戦を、2度に渡る直前の負傷でキャンセルしたグッドマンは、階級を上げての世界初挑戦。初回、身長でボールを12センチ上回るグッドマンは、ボールの突進を軽快なフットワークとジャブ、ワンツーでストップ。しかし、ボールは強引に接近し右フックをねじ込んだ。
2回、グッドマンは小刻みに動きボールの出ばなをジャブでストップし、左フック、右ストレートをヒット。ボールは接近し右アッパーを突きあげるが空を切る。3回、ボールは低い姿勢から左右フックを強振して飛び込むが届かない。グッドマンは足を止めずジャブ、左ボディ、右ストレートをヒット。ボールは鼻から出血。
4回、ボールの右フック、アッパーがグッドマンを捕らえるが浅い。グッドマンはジャブ、ワン・ツーを軸に左でボディを打ち、ボールの攻撃をうまく寸断。5回、開始間もなく圧力を強めたボールの右ストレートヒットしグッドマンの腰が落ちる。しかし、グッドマンは足とジャブで、後続を断ち切った。

6回、強引に飛び込むボールの左フックがヒット。グッドマンは動いてジャブ、ワン・ツー、左ボディ。7回、グッドマンのジャブが冴える。軽快に動き入って来るボールに右ストレートをカウンター。ボールのパンチは届かない。
8回、ボールはスイッチを交えグッドマンに肉薄。左右フック、アッパーと回転を速める。グッドマンは足を使いジャブ、右ストレートで距離を取る。9回、グッドマンはジャブから左右ストレートを連打し左ボディ。右アッパーを突きあげるボールに対し、下がらず対抗。
10回、グッドマンがワン・ツー、左ボディと手数を増やす。前進するボールの左右フックは下がらずブロックで止め、ストレート連打から左フックを上下に打ち込む。11回、ボールが手数を増やし、強い左右フック、アッパーで攻勢に出る。グッドマンも下がらず右ストレート、左フックで応戦。
最終ラウンド、グッドマンがジャブ、左右ストレートと打って出る。対するボールも左右フック、アッパーを返し、両選手共に譲らず打ち合いながら試合終了ゴング。グッドマンは右手を挙げ勝利ポーズ。しかし、公式スコアは118-110、117-111、115-113でいずれもボール。
グッドマンはボールの攻勢を凌ぎ巧く戦ったと思うが、ジャブ、ストレート、左ボディが評価されず、ボールのパワーパンチが上回った形。しかし、これほどのポイント差があったとも思えず、グッドマンの勝利を推す声も少なからずあがっている。