6月14日(日本時間15日)、アルゼンチン・ブエノスアイレスのカジノ・ブエノスアイレスで開催された、WBA・“KO to Drugs”・フェスティバルのメインカード。WBA世界バンタム級暫定王座決定戦。42歳の元世界5階級制覇王者(暫定含)で同級5位のノニト・ドネア(フィリピン)=42勝(28KO)8敗=と、同級8位のアンドレス・カンポス(チリ)=17勝(6KO)2敗1分=の一戦は、ドネアが9回負傷判定勝ち。
初回、身長で上回るドネアはサウスポースタイルでスタート。プレスを掛け左フックを振り、左ボディアッパーを狙った。初回終了間際にはオーソドックに戻したドネアは、2回以降、右ストレート、左ボディを強振しカンポスに迫った。
プレスを掛けるドネアに対し、カンポスは動いてジャブを伸ばし、機を見て右ストレートを放つが届かない。5回になるとドネアはフリッカージャブを多用。右ストレート、左ボディを放つが精度はいま一つ。カンポスはジャブを放っては動くだけで、ドネアはジャブ、パワーパンチ、手数で上回りポイントを稼いで行った。
7回終了間際にはドネアが右ストレート、左ボディを決め優勢。8回、カンポスも反撃の姿勢を見せるが、ドネアも譲らない。迎えた第9ラウンド、偶然のバッティングでドネアが右目上をカット。それほど大きな傷には見えなかったが、ドクターチェックの後、試合は停止された。公式スコアは88-83、87-84、87-84。

約1年11ヶ月ぶりのリング復帰を果たしたドネアが、約3年半ぶりの勝利で暫定王座を獲得した。しかし、今日の試合ではカンポスがあまりにディフェンシブな選手だっただけに、復調ぶりをはかる事は出来ないと感じた。
神妙な表情で勝利者コールを受けたドネアは、7月30日に横浜BUNTAIで行われる、WBA世界バンタム級レギュラー王者アントニオ・バルガス(米)=19勝(11KO)1敗1NC=と、同級3位の比嘉大吾(志成)=21勝(19KO)3敗2分=選手の勝者と対戦する事になる。
アンダーカードには、元世界2階級制覇王者オマール・ナルバエス2世のジュニア・アンドレス・ナルバエス(アルゼンチン・20歳)=3戦全勝=が、父オマールをチーフセコンドに従え、スーパーバンタム級4回戦に出場。デニス・マルティネス(アルゼンチン)=6戦全敗=と対戦。
サウスポー同士の一戦は、初回からキビキビした打撃戦を展開したが、第2ラウンド終了間際、ナルバエスの右フックがカウンターで決まるとマルティネスはダウン。立ち上がり終了ゴングを聞いたが、続く3回、攻勢に転じたマルティネスを押し返したマルティネスの一気の連打で猛攻。グスタボ・パディージャ(パナマ)主審はダウンを宣告し試合はストップされた。