6月21日(日本時間22日)に英・バーミンガムのbpパルス・ライブ・アリーナで行われた、WBC世界フライ級暫定王座戦で、ガラル・ヤファイ(英)=9勝(7KO)1NC=と対戦。試合後、自主的アンチドーピング協会(VADA)によるドーピング検査で、興奮剤ヘプタミノールの陽性反応が検出された、WBC世界フライ級1位フランシスコ・”チワワ”・ロドリゲスJr(メキシコ)=39勝(27KO)6敗1分2NC=が早くもリング復帰。10月25日(日本時間26日)にメキシコ・グアダルーペのエキスポ・グアダルーペで開催される興行のメインイベントで、ラウル・ルビオ(メキシコ)=19勝(8KO)4敗1分=と対戦する。
ロドリゲスJrはヤファイ戦で、立ち上がりから休みないエネルギッシュな戦いを展開。疲れ知らずの驚異的スタミナでヤファイを押しまくり、最終ラウンドにはダウンを奪い12回判定勝ちで暫定王座獲得に成功したが、薬物検査陽性により王座はヤファイに戻され、試合はノーコンテストに変更された。
WBCはロドリゲスJrを2026年6月21日まで「保護観察状態」に置く事を決定。また、保護観察期間中に自己負担で最低3回のVADAのランダム検査を受ける事を義務付ける等したが、結局、ロドリゲスJrが禁止物質の意図しない摂取の状況を認めたこと。2つの禁止物質を含む市販のエナジードリンクの使用を報告していた事を考慮し、WBCはロドリゲスJrの禁止物質の摂取は偶然で、意図的ではなく、知らずに行われたものであり、パフォーマンス向上を目的としたものではなかったと裁定。

しかし、ロドリゲスJrは昨年12月15日(日本時間16日)に、米・テキサス州サンアントニオで行われた、ホスエ・モラレス(メキシコ)=31勝(13KO)17敗4分1NC=との8回戦でも、薬物検査で不合格。判定勝利から一転、今年1月6日(日本時間7日)付けでテキサス州コミッションは、試合結果をノーコンテストに変更している。
ヤファイは試合後、入院を余儀なくされ回復まで2週間を擁するほどのダメージを被ったにもかかわらず、2試合続けて薬物検査不合格のロドリゲスJrは世界ランキングも1位に置かれ、僅か4ヶ月でのリング復帰。薬物使用が意図しない偶発的なものであったとしても、ヤファイが受けたダメージに付いての責任には、WBCが一切触れていない事、ロドリゲスJrにそのぺナルティが課されない事には大きな疑問が残る。
同日の共同メインには、元IBF世界ミニマム級王者でWBC8位、WBO世界ライトフライ級2位にランクされるダニエル・バラダレス(メキシコ)=31勝(19KO)4敗1分1NC=が出場。WBCラテン・ライトフライ級王座を賭けてモイセス・カロ(メキシコ)=11勝(5KO)3敗4分1NC=と対戦する。