ドン・キング率いるドン・キング・プロダクションは、WBA世界ヘビー級レギュラー王者クラフト・プーレフ(ブルガリア)=32勝(14KO)3敗=と、同級1位マイケル・ハンター(米)=24勝(17KO)1敗2分=の指名戦を、10月4日(日本時間5日)に米フロリダ州マイアミで開催する事を発表。
ハンターは9月13日(日本時間14日)に米・ラスベガスで開催されるカネロvsクロフォードのアンダーカードで、WBA世界同級6位ジャレル・ミラー(米)=26勝(22KO)1敗2分=と対戦する事が発表されている中で、キングは自身が入札により獲得した興行権は有効だとして強硬手段に出た。
プーレフvsハンターの入札は、ハンターをプロモートするドン・キング・プロダクションが110万ドル(約1億6千30万円)で落札に成功。試合は8月23日(日本時間24日)に米・フロリダ、ラスベガス、オハイオ、ペンシルベニアのいずれかでの開催をキングはほのめかしていた。ファイトマネーの分配はプーレフが75%の82万5000ドル(約1億2千50万円)で、ハンターは25パーセントの27万5000ドル(約4千20万円)。
しかし、プーレフとエピック・スポーツ&エンターテインメントは、WBAの規則と規程の解釈を変更するよう申し立てをするが、WBAはこれを却下。この問題は訴訟にまで発展し時間が経過。プーレフは準備が整わないとして、キングが予定していた8月開催は困難な状況となり、ハンターはミラーとの対戦に舵を切った。

これに激怒したキングはサウジアラビアの企業SELAと、TKOボクシング(UFCのホワイトCEO、WWEのニック・カーン会長、サウジアラビアのボクシング・フィナンシャーのトゥルキ・アラルシク大臣が今年初めに設立したベンチャー企業)が運営する、TKOグループ・ホールディングス社に営業停止命令を出した事を発表。
キングは自分の知らない所でTKOとSELAが、許可もなく、キングがプロモート権を持つハンターとの試合を不法に交渉、発表したと主張している。キングはハンターと2024年2月に3年契約を締結しており、その契約の有効性と、入札における落札者としての権利の承認をWBAに対し求めている。
また、同日の興行にはブレア・コブス’(米)、エイドリアン・ブローナー(米)、ノエル・ミカエリアン(アルメニア・米在住)らも出場を予定している。果たしてどう決着するのか。今度ばかりはキングに分がありそうだが。