11月8日(日本時間9日)、米・テキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで、挑戦者エリクソン・ルビン(米)=27勝(19KO)3敗=に何もさせず、2回1分30秒TKOで撃退したWBC世界スーパーウェルター級暫定王者バージル・オルティスJr(米)=24戦全勝(22KO)=は、試合後のリング上でWBA世界同級暫定王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=35勝(31KO)無敗1NC=と激しくやり合い、プロモーターのオスカー・デラホーヤも対戦をまくしたて、両者の対戦は実現へ向かうと思われたが、現実はそう簡単には行かない様相を呈している。
オルティスJrのマネジャー、リック・ミリギアンは、エニスとの対戦は最低でも1千万ドル(約15億3900万円)の報酬がなければ検討にも値しないと断言。
オルティスJrは、「次戦はダラスでエロール・スペンスJr(米)=28勝(22KO)1敗=と戦いたい。誰が何と言おうと構わない」とまで語り、スペンスJrとグローブを交える事が自身の夢であるとしている。
元WBC、IBF&WBAスーパー・ウェルター級王者のスペンスJrは、2023年7月にテレンス・クロフォード(米)=42戦全勝(31KO)=に9回TKOで敗れ世界王座から陥落。クロフォードに敗れた後、すぐに再戦要求条項を行使したが、白内障の手術を受けた事もありブランクは長期に渡り、クロフォードとの再戦は消滅。

昨年10月にはWBC世界スーパーウェルター級王者セバスチャン・フンドラ(米)=23勝(15KO)1敗1分=との対戦が計画されたが、これも実現には至らず、クロフォードに敗れて以来リングに上がっていない。
また、デラホーヤは「我々がAサイドでなければ、エニスとの対戦は成立しない」と主張。そうなれば、スペンスJr、フンドラとの対戦を検討すると述べており、もう2年半以上リングに上がっていないスペンスJrと、オルティスJrの対戦が現実味を帯びて来る。
両者の対戦は以前にも議論された事があり、オルティスJrの故郷ダラスで開催される事になれば、地元では大変な騒ぎになるだろうと見られている。今後の動向に注目。
