11月8日(日本時間9日)、米・テキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで開催された、ゴールデン・ボーイ・プロモーション興行のメインイベント。WBC世界スーパーウェルター級暫定王座戦。暫定王者バージル・オルティスJr(米)=23戦全勝(21KO)=に、同級4位エリクソン・ルビン(米)=27勝(19KO)2敗=が挑んだ一戦は、オルティスJrが2回1分30秒TKO勝ち。

オルティスJrは開始からジワリプレスを掛けサウスポーのルビンを追い、右ストレートをヒット。2回、オルティスJrはジャブ、右ストレートを放ち前進。ルビンをロープ際に押し込むと左フックから、右アッパーを突きあげる。ルビンはロープを背にガードを固め応戦の気配。

しかし、ルビンのガード越しにオルティスJrが右フックを叩き込むとルビンの動きが止まる。そこへ3発、4発と右を追撃し左フックを打ち込むと、レフェリーが割って入り試合はストップ。オルティスJrが見事な速攻劇で2度目の防衛に成功。

試合後のリング上にはWBA世界同級暫定王者ジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=35勝(31KO)無敗1NC=が登場。オルティスJrとやり合い、睨み合った。オスカー・デラホーヤも両者の対戦をまくしたて、来年の早い時期に両者の対戦が実現する可能性が高い。

Vergil Ortiz Jr & Jaron Ennis

WBA・USA大陸スーパーミドル級タイトル10回戦。王者でWBA世界同級6位ダリウス・フルガム(米)=14勝(12KO)1敗=に、デビッド・スティーブンス(米)=15勝(10KO)2敗=が挑んだ一戦は、10回引き分け。スコアは96-94フルガムと、95-95、95-95。

フルガムは5月30日(日本時間31日)にベクテミル・メリクジエフ(ウズベキスタン)=16勝(10KO)1敗=とのWBA世界同級挑戦者決定戦で、最終ラウンドにダウンを喫し112-114×3の判定負けを喫して以来の再起戦で、スティ―ブンスは昨年11月にメリクジエフと対戦し、やはりスプリットの判定で敗れている。

初回から手を出してはすぐに両者の体が密着。揉み合い、クリンチの連続となった試合は、ジャブと右ストレートの数で、序盤戦フルガムがポイントを稼ぐ。しかし、4回、揉み合いながらの打ち合いでスティーブンスは右フックをヒット。嚙み合わない両者は6回、レフェリーからの注意を受ける。

7回、フルガムは右アッパー、8回はスティーブンスが左フックをヒットするが、最後まで手を出しては揉み合い、僅かなヒットを奪い合う展開に終始。終盤はブーイングが飛んだ。判定が下された後も、両者の表情は厳しいままで、後味の悪さを物語っていた。

Amari Jones

ミドル級10回戦。IBF世界同級13位アマリ・ジョーンズ(米)=14戦全勝(12KO)=と、シャディ・ガムアール(スウェーデン・米在住)=14勝(9KO)2敗=の一戦は、ジョーンズが3回2分54秒TKO勝ち。初の10回戦となるジョーンズは初回からガムアールを攻め、迎えた第3ラウンド、左ボディでダウンを奪うと、再開後、右クロスを叩き込みさらに右を追撃。これがカウンターとなりガムアールがキャンバスへ落下すると、レフェリーはノーカウントで試合をストップ。

ヘビー級6回戦。パリ五輪代表のジョシュア・エドワーズ(米)=4戦全勝(4KO)=は、ゼノ・ヴォリス(米)=5勝(5KO)1敗=に3回2分34秒TKO勝ち。エドワーズのパンチで両目上をカットしたヴォリスは、ガードを固め後退するばかり。右目上からの出血も激しく、リング下の試合役員がストップを要請。レフェリーが試合を停止した。

WBA米大陸クルーザー級王座決定10回戦。WBO世界同級5位、IBF8位ロビン・サーワン・サファー(スウェーデン・米在住)=18戦全勝(13KO)=と、デリック・ミラーJr(米)=18勝(10KO)無敗1NC=の一戦は、右ストレートを中心にボディブローを交え、終始優勢に試合を進めたサファーが判定勝ち。スコアは99-90、99-90、98-91(サファーは3回ヘディングで減点1)。